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蓮の守護者の探偵

夕矢と剛士は西海岸美術館へ車で行くと駐車場に止めた。

建物は近代的で広々とした広場がありそこにも銅像や彫刻などの美術品が置かれていた。


開館時間は10時。

夕矢と剛士は10時になると美術館の券売機で入場券を購入し受付の女性に声をかけた。


剛士が女性に

「こちらの美術館に菱尾湖南の『蓮』という洋画があったと思うのですが、その事でお話が」

館長とお話することは可能でしょうか?

と告げた。


女性は少し怪訝そうに

「菱尾、湖南の絵ですか?」

と言い

「少々お待ちください」

と何度か二人を振り返りながら立ち去った。


5分程して女性は館長と共に姿を見せた。

館長は長谷川久二と言い剛士と夕矢を見ると

「初めまして、長谷川と申します」

と言い、名刺を取り出した。

「それで菱尾湖南の『蓮』について話があるとお聞きしたのですが」


剛士は頷いて

「はい、その絵を一時預からせていただきたいと思いまして」

もちろん、その代わりに同じ真作の菱尾湖南の『蓮』をお渡ししておきます

と告げた。


久二は少し首を傾げ

「それはどういう」

と聞いた。


剛士は冷静に

「菱尾湖南…つまりご本人が同じ作品を二つ描いており本来は放出するべきでなかった絵を誤って流出してしまい」

我々はその絵を一時的に回収しております

「こちらの美術館にある菱尾湖南の『蓮』はキャンバスが二重張りになっていると思います」

二枚目の絵を調べたいとご本人が言っておりまして

「その手伝いを我々がしております」

と告げた。

「突然きての話では信用できないと思いますので菱尾湖南…ご本人にご確認いただいても大丈夫です」


久二はフムッと考え

「取り合えず、こちらに絵があります」

と二人を美術館の中へと誘った。


夕矢と剛士は彼の導くままに足を進めた。

夕矢はキョロキョロと絵を見ながら不意に一枚の絵に向かって足を向けた。


剛士は「ん?」と顔を向け

「夕矢君」

と声をかけた。


夕矢は一枚の絵の前に立ち

「この絵、本物?」

と指を差した。


久二は目を見開き困ったように笑うと

「本物に決まってるじゃないか」

と言い

「この美術館の絵画も彫刻も全て本物だ」

と告げた。

「ちゃんと買ったんだからね」


夕矢は少し考え

「でも、おかしい」

と言うと

「前に仙台の美術館で飾ってた同じ作者のサインと」

凄く似せて書いてるけど違う

「微妙なはね方とか」

と告げた。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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