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ステンドグラスの鳳凰

夕矢はコクコクと頭を動かして

「それが何故唯一かわからないから全部見て同じようなのがあったら俺の気のせいになる」

だから

「確かめたい」

と告げた。


幸村は腕を組むと

「ハッタリか?」

それとも真面目にか?

と考えつつ

「わかった、案内していこう」

と立ち上がった。


夕弦も剛士も多少不安を抱えつつ、幸村と夕矢の後に付いて足を進めた。

一階の東の部屋から順に回っていく。


館は南向きに建っており部屋は東と西に一階も二階もそれぞれ二部屋ずつあった。

勿論部屋には窓が付いており、手前部屋には南と奥側の部屋と同じように西なら西側に東ながら東側にあった。


つまり、手前の部屋は二つ。奥の部屋は一つだけであった。

廊下に関しても東と西にそれぞれ一つずつであった。


4人はそれらを全て見て回り二階の部屋へと戻った。


幸村は夕矢を見ると

「それで?君の目にはどう映ったんだ?」

と聞いた。


剛士は夕矢をちらりと見て

「俺には全て普通のステンドグラスにしか見えなかったが」

と心で呟いた。

夕弦も同様であった。

部屋のステンドグラスは花の種類こそ違っても全て花の絵であった。

廊下や二階への階段を上がった先にあるステンドグラスは鳥の絵であった。


夕矢は考えつつ

「やっぱり、あの一枚だけがおかしい」

と呟いた。


夕弦も剛士も夕矢を見た。

まるで自分達とみている世界が違うのではないかと思う発言である。


いや、実際そうなのかもしれない。


夕弦は腕を組み

「俺は無意識に誰もが自分と同じ風景を見ていると思っていたが…俺の見る風景と夕矢の見る風景は違うのかもしれないな」

と呟いた。


幸村は心を落ち着かせながら

「それで違うのはどれなんだ?」

と聞いた。


夕矢は指を差して

「エントランスから正面の階段を登ったところにあるステンドグラス…俺、あれが鳥の絵に見えない」

何かゴタゴタして幾何学模様のパズルみたいに見える

と告げた。


幸村は驚いて

「は!?」

あれはどう見ても鳳凰だろ?

「特に鳳凰の目のところには本物のダイヤが埋め込まれているんだぞ」

と首を振って告げた。


夕矢は腕を組むと

「確かにそう言われればそう言う鳥もいるようには見えるけど…全体的に色が少しずつ違ってて」

と呟いた。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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