ステンドグラスの鳳凰
夕弦は笑って
「お前の人生はお前のモノだ」
好きな道を行けばいいさ
と言い
「それとは別に、毎回で悪いんだが」
力を借りたい
と告げた。
夕矢は頷くと
「わかった」
と答え
「例のだろ?」
とさっぱり聞き返した。
夕弦は「その通りだ」と答え、話を続けた。
「物は国分家にあって俺が見てもどの窓ガラスは普通のステンドグラスにしか見えないんだが謂れ書きでは仙台など区画一帯の大切な秘密が隠されていると書かれていた」
北海道や青森で見てきたものだ
夕矢は「うん」と答えた。
「やっぱりここにもあったんだ」
区画に一つずつあるんだよな
夕弦は「ああ」と頷いた。
夕矢は笑顔で
「明日いくの?」
と聞いた。
夕弦はそれに
「すまないが頼む」
と答えた。
夕矢は首を振ると
「俺がこうやって行きたい道に行けるの兄貴と末枯野のおじさんのお陰だから」
役に立つの嬉しい
と告げた。
「じゃあ、いただきます!」
そう言って牛タン丼を食べ始めた。
夕弦も剛士も笑みを浮かべて同じように牛タン丼を口に運んだ。
夕矢は食事を終えると自室に戻って授業のアプリを立ち上げた。
毎日決めた科目を勉強する。
今は高校三年用の勉強をしている。
来年には大検を受けたいと思っているのだ。
仕事はこのまま続けていきたいが大学は出ておきたい。
ただ夕矢の悩みはその大学にあった。
「大学の専攻…だよな」
何学科がいいんだろ
夕矢はアプリの動画を見ながら勉強しポツリとぼやいた。
同じ年の夏月春彦は『探偵になるから法学部に行こうと思ってる』と言っていた。
夕矢は勉強を終えると
「三嶋さんに聞いてみようかなぁ」
と携帯を手に三嶋悟の番号を呼び出しかけた。
その瞬間であった。
手にした携帯に着信が届いたのである。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。
 




