ステンドグラスの鳳凰
夕矢は依頼がない間は剛士と共に体力作りに励んでいた。
兄の夕弦は一ツ橋家と伊達家と国分家をそれぞれ訪ね特別な家系の末裔を調べていた。
仙台や茨木などを区画として管理している特別な家系は家系図もしっかりしており他の区域のように末裔が行方不明や断絶などしていなかったのは救いであった。
が、最大の鬼門が国分家の末裔から切り出されたのである。
国分幸村が現在の国分家の当主なのだが彼が言うには
「私が受け継いだ国分家の本家の母屋には不思議なものがあって…謂れ書きが残されているのだが私には分からなくてな」
と言い
「これは一ツ橋と伊達にも関りがあって両当主と話はしているのだが」
もしその不思議なものの謎が解ければ君の話を聞かないこともない
と交換条件を出してきたのである。
それに関しては北海道や青森でも同じようなことがあったので夕弦は冷静に
「良ければその不思議なものを先ずは見せていただけますでしょうか?」
と聞き、快く見せてもらい心の中で
「やはり」
と呟く事態となったのである。
その話を夕弦は夕食の席で夕矢に告げた。
夕食は牛タン丼であった。
仙台と言えばそれだ!という夕食であった。
夕矢はどんぶりをそれぞれの前に置き
「丼のたれは俺の手製!」
と胸を張った。
剛士はクンクンと鼻を鳴らし
「いい匂いだ」
と言い
「流石、夕矢君だな」
名シェフになれるぞ
と笑って告げた。
夕矢はハハッと笑うと
「うん、けど俺は今の仕事好きだから」
第二候補として考えとく
と返した。
返事も上手く受け流す形になって夕弦と剛士に大人になった事をさり気無く教えていた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




