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新しい未来へ

第二部 最終話

5月中旬に兄の東雲夕弦と親友たちの大きな一歩が踏み出されて次の一歩へと進み始めた。

その次の一歩の為に再び仙台へ戻り兄の夕弦は特別な家系を探し出してコンタクトを取る仕事へと戻ることになった。


夕矢もまた末枯野剛士と共に菱尾湖南のまだ見つかっていない乙女シリーズを探すことになったのである。


東京のマンションの掃除を済ませて夕矢は息を吐き出すと

「また、暫くさようならだな」

と言い

「また帰って来るからな」

と呟いた。


夕弦と末枯野剛士も感慨深げに家を見て、夕弦は

「行こうか」

と夕矢に呼びかけると鍵を閉めた。


新しく再びの道へと戻るのである。


写真推理


仙台のマンションに戻ると直ぐに陸奥詩音から連絡があった。

彼女も一度九州へ戻って、東京の兄の夏月直彦に色々話をして仙台へとやってきたのである。


彼女の母親である磐井栞は秋月直樹と神宮寺静祢と一色卓史が姿を消した頃に床につくとそのまま目覚めることなく今も眠りの底に落ちている。


ただ、陸奥樹も陸奥家の跡取りとして強く前を向いて歩いており、父親の初男を含めた三人でじっくりと今後の話をしてあることを決めたのである。


仙台の駅で久しぶりに会った彼女は何かを決めたような笑みを見せて

「私、九州へ戻って母の側にいようと思うの」

と告げた。


夕矢は出会った頃の何処か危なげな空気は一掃され、地に足を付けた力強さを彼女に感じたのである。


夕矢は彼女が考えて決めたのだと理解すると

「わかった」

その代わり俺が絵を集める

「絶対に全部集めるから安心して」

と笑顔で答えた。


詩音は涙を落とすと

「ごめんね、ありがとう」

と言い

「写真のこともあるけど…今は直彦兄さまに兄さまの知らないお母さまの姿を見せてあげたいの」

一緒に集められなくてごめん

と告げた。


夕矢は笑顔で「大丈夫」と言い

「俺にも絵を集める理由があるから気にしないでくれ」

俺も兄さんの手助けをしたいし

「詩音ちゃんや直彦さんや春彦さんや色々その血のシステムで苦しんだ人や不幸を変えられるように頑張りたい」

もう悲しむ人が出ないようにしたい

と告げ、夕矢は手を差し出した。


「未来の道が開けた時に詩音ちゃんを迎えに行く」


詩音は泣きながら笑顔で何度も頷くと

「ありがとう、夕矢君」

待ってる

と握り返して微笑んだ。


そして二人は、今はそれぞれの道を歩むように別れた。


夕矢が一人空を見上げると初夏の晴れ渡った青い空が一面に広がり、それぞれが決めた新しい未来を祝福するように輝く光を讃えていた。

最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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