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思わぬ場所の光

そして土曜日に四辻橋駅で集合し、東都電鉄で横浜へと向かったのである。

終点の横浜駅で降りるとそごう横浜店などを横切るはまみらいウォークを歩き、みなとみらい大橋を渡るとたどり着く。


横浜駅から大体15分から20分程で到着するのでそれほど遠いわけではない。


夕矢は写真と風景を照らし合わせながら川沿いを歩き不意に足を止めて目を細めた。

「あれだ」と指を差したのである。


帷子川を挟んでホテルとかが並ぶ一角に広間と寄り添うようにあったのだ。

だが、館の形と言い確かに似ていたのである。


夕矢は周囲を見回して高い場所がないかを探し少し後ろの方にある一、二階が商業施設のビルを見つけるとそこに向かって走った。


それに尊も貢も冴姫も驚いて走り、中へと入って二階から川の対岸を見下ろした。


夕矢は貢を見ると

「桔梗、叔父さんの写真見せて」

と言い受け取ると見比べて

「あそこだ」

と告げた。


全員も見比べると「おお!」と声を上げた。


貢は「よし、写真を撮って叔父さんにみせよ」と携帯で写真を撮った。

冴姫も「私も」と携帯で写真を撮り、夕矢も同じように写真を写しかけて目を細めた。

「ん?」


一瞬、その池から光が瞬いたように見えたのである。

「池の中に何か光ってる気がする」


呟いた夕矢に全員が目を向けたが首を傾げた。

尊はあっさり

「水が反射したんじゃないのか?」

と告げた。


夕矢は目を細めて見つめ

「いや、だって一か所だけキラリって」

と呟き

「気のせいかなぁ」

と思いかけて、やはりきらりと光る何かに目を細めた。


フッと北海道の海に繋がる池を思い出したのだ。

もしかしたらそこもそうなのかもしれない。


だが。

「いや、まさか」

と思ったものの

「誰の屋敷なんだろ」

と呟いた。


気になる。


夕矢は後ろ髪を引かれながらも、目当ての場所を見つけたことで横浜観光へと切り替わった尊たちと共に馬車道や山下公園を目指して移動したのである。


楽しく一日を過ごし帰宅するとノンビリとカレーを作っていた夕弦と末枯野と共に食べて自室へと戻った。


その夜。

貢から連絡があり夕矢は目を見開いた。

『あの屋敷は凄く特別な家の屋敷なんだってよく見つけたなって褒めてた』


特別な家。

夕矢はそれを見て

「まさか、兄貴が探している特別な家系ってことなのかな」

だとしたら

「あの光は…」

と呟いた。


それから少しして夏月直彦が持っていた絵から写真を取り出していた美術修復会社から連絡が入った。


写真が取り出せたということである。

夕矢は夕弦と剛士の三人で作業場へと写真を受け取りに向かった。


絵は綺麗に修復してキャンバスに張り直してから納品するということで写真だけ受け取ったのだが、夕弦と剛士は驚きの表情でそれを見るとその日の夜に白露元へとメールを入れたのである。


夕矢はあの場所を気にしていたが、それとは裏腹に大きく事態が動き出そうとしていたのである。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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