思わぬ場所の光
そこから徒歩10分で旧鹿楼館がある。
が、中に入れずに周囲を見回し夕矢が冷静に告げた。
「建物自体が違うよな」
…。
…。
尊も頷いて
「そうだな」
と答えた。
冴姫も頷いた。
夕矢はうむと呟き
「建物がソックリというと東京白露美術館だったよな」
と告げた。
尊は「池の中の彫刻が無かったらな」と答えた。
冴姫は笑顔で
「でも、色々回れて楽しかった」
と言い
「来週の土曜日は高島水際公園に遊びに行きましょう」
横浜散策楽しめるし
「それで日曜日に図書館で再調査ね」
と告げた。
尊はハハッと笑うと
「既に却下状態だな」
と言い
「ま、それでいいか」
と答えて
「帰ろうか」
と誘った。
既に時計の針は午後4時だ。
夕矢達は列車に乗り込むと北千住へと向かい、そこから夕矢と尊は東都電鉄で自宅のある向島へと戻ったのである。
久しぶりに親友たちと写真探索が出来て何時もの日常へと戻れた気分であった。
翌日から直彦の見舞いをして様子を詩音に知らせるのとスポーツジムで体力作りをしながらアプリで勉強を再開した。
親友たちとは違う日常だが、それもまた今の自分の日常だと夕矢は感じずにはいられなかったのである。
人それぞれの生き方があるのだと東京へ帰って改めて感じたのである。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。




