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フォトリーズニング  作者: 如月いさみ


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写真探索再び

夕矢は尊の言葉に笑顔を浮かべると

「頑張れ、尊」

俺も応援してる

と告げた。


冴姫は話が一段落すると

「じゃあ、桜並木を散歩しよ」

改札の近くじゃ邪魔になるし

と歩き出した。


貢も尊も夕矢も詩音もつられるように歩き出した。


三月の中旬である。

気温は上がり下がりを繰り返してはいたが、それでも桜は赤い蕾を見せながら春がもうそこまで来ていることを無言で教えていた。


川沿いの並木道を暫く行くと東都製菓のチョコロビットの大きな看板と共に工場が対岸に姿を見せ、そこに旗が立っていた。


『本日、チョコロビット新作イチゴ味発売』

そう書かれていた。


夕矢はそれを見ると

「へー、イチゴ味か」

と呟いた。


冴姫はそれに

「そうそう、TGU10の北条ルキと雑誌モデルやってる勇がCMやっているんだけど凄く可愛いストーリーなの」

それで昨日二人がTOTで宣伝ライブしたんだけど

「私が見ている感じでは変じゃなかったんだけど追っかけしてる子が何か二人とも泣いてたーって言ってた」

と不思議そうに告げた。

「何かあったんじゃないかっていう話なんだけど…公の場では笑顔でいないといけないって大変だよね」


夕矢は神守勇が夏月春彦の恋人であることを知っており、恐らく彼が狙撃されたことと夏月直彦が狙撃されたことを知ったのだと理解した。


二人の事は恐らく津村家と白露家、それに九州では島津家などが箝口令を引いたのだろう。

ニュースにも流れていなかった。


詩音も視線を伏せて口を閉ざした。

夏月直彦は意識を取り戻したが、夏月春彦の方は…未だ意識が戻っていないのだ。


彼女がどんな思いで今いるのか。

そう考えると胸が痛んだ。


貢は二人の様子を一瞥し直ぐに

「あ、そうだ」

というと

「実は叔父さんにまた写真の依頼を受けていたんだ」

ちょうど良かった

「東雲君も陸奥さんも手伝ってくれないかな?」

と話を切り換えた。


冴姫も頷くと

「そうそう、実は二か月前に依頼されたんだけど…三人じゃダメで」

と告げた。


夕矢は顔をしかめると

「二か月も前に?」

何やってんだよ

と腕を組んだ。


尊は笑いながら

「まあ、形態変化した写真探索隊のリーダーの力を見せてもらおうぜ」

と告げた。


詩音は小さく笑って

「夕矢君は写真探索隊のリーダーだったんだ」

と言い

「私も協力するわ」

と告げた。


夕矢もまた

「よし、じゃあ写真探索隊再結成だな」

と告げた。


貢が見せた写真は花に囲まれた小さな池の写真であった。

その向こう側に洋館が立っていたのである。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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