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フォトリーズニング  作者: 如月いさみ


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25/123

怪盗クロウ

切っていた警報器を入れて夕矢と剛士は護衛に着くことになった。

美術館の開館時間は朝の10時から夕刻の5時でこの日は問題なく閉館した。


ただ、怪盗は昼間に現れるというわけではないので剛士は夕矢を家に送り届けるとその足で再び美術館へと戻った。


深夜の護衛である。

夕矢は幾ら専門家と言えど年齢的には18歳未満である。


20歳も超えていないので深夜の仕事はさせられなかった。

翌朝、剛士は午前7時に戻り朝食をとると今度は夕矢を連れて美術館へと戻った。


夕矢は再び絵の前に立ちチェックをした。

昨日の絵と変わっていない。


まだ大丈夫だということだ。


二人は10時になって開館時間になると再びライン橋の側に待機した。

怪しい人物が現れ時の絵のボディーガードである。


美術館にはポツリポツリと人が入り始めた。

入口のフロントから中へと人が絵を見ながら流れてくる。


杜の都伊達美術館は彫刻などを外に展示し、絵画は室内に展示して窓はない。

絵を劣化させない程度の明かりの電灯で部屋を照らしているのだ。


人々は壁にかかる絵をじっと見て順路通りに一階二階を見て回ると外へ出て彫刻を見た。

昼時が近付いたとき、一斉に電機が落ちた。


視界が一瞬奪われた。

夕矢は目を一瞬閉じて直ぐに開けると剛士の横を見た。


「おじさん、横に人がいる!」

右!


剛士ははっと横手を見ると腕を動かした。

それを人影は避けて

「目の良いのが一人いるのか」

と言い、二人にスプレーを向けた。


剛士はその手を掴むと

「夕矢君のお陰で目が慣れてきた」

と言い反対の手をドンっと前に出してその人物を弾き飛ばした。


「マジか」

と声がして

「しょうがないなぁ」

とその人物は言い布を絵に被せた。


同時に二人の間を抜けて布の中に隠れるとガタガタと音をたてた。


夕矢は直ぐに絵の方に向いて布をグィと引っ張った。

その人物は額縁のようなものを手に

「じゃあ、絵は頂いた」

と言い夕矢がケリを入れると同時に後ろへ飛びのいて闇の中を駆け抜けていった。


その直後に電灯が点き、落ちた布の上に額縁のガラスのところに紙が貼りつけられていた。

『絵は取り替えさせていただきました 怪盗クロウ』


剛士も夕矢も周囲で屈んでいた人々もそれを目に驚いた。


確かに人影は額縁を持っていた。

だが。

だが。

あの短時間に絵を取り替えるなどできるのだろうか。


駆けつけてきた長浜昭二はそれを見ると

「まさか」

と言い

「今、警察に連絡しました」

と二人に告げた。


剛士は長浜昭二に

「確かに額縁のようなものを持って逃げていきましたが」

あの短時間でどうやって

と呟いた。


長浜昭二は警報器を切ると取り替えられた絵を降ろした。

夕矢はガラスに貼られた紙を外して拡大鏡でサインと絵を見た。

「…取り替えられてないと思う」

この紙はきっと嘘だ

そう断言した。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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