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フォトリーズニング  作者: 如月いさみ


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115/123

怪盗クロウと真贋の意味

夕矢は絵の端の印を見ると

「印も似せているけど恵のハネが微妙に違うし…そもそも18世紀半ば以前の浮世絵は黒墨の上に筆で色を付けていたはず」

これは18世紀半ば以降の浮世絵の形をとってるから

「初摺ではないと思う」

版下は本物かも知れないけど

と告げた。


…。

…。


修一郎は頭を軽く振って

「待ってくれ」

と言い

「まさか安積美術館が偽物を?」

と蒼褪めた。


夕矢は冷静に

「その辺りについて俺は分からない」

もしかしたら安積美術館の方でも分らなかったかもしれないし

「写恵は作品数が極端に少なくて伊勢街道14景くらいしか有名でないし」

浮世絵でも初期の人だから初期の頃の制作方法を知らなかったら

「偽物とわからないで持つ人もいるかも」

と告げた。


修一郎は腕を組むと

「確かに安積美術館のオーナーは美術品のプロではなくて資産家だと聞いてはいるけど」

そのコレクションで作ったのが安積美術館らしい

「だが偽物を持っているなんて今まで聞いたこともないし」

借り受けた多くの美術館からもそんな話は聞いたことが無い

「以前に借りた洋画も真作だったし」

と告げた。


夕矢はふむぅと息をついて

「俺のことが信用できないなら信用できるところに出して調べた方が良い」

と告げた。

「俺は写恵の伊勢街道14景の初摺じゃないと思うけど」


修一郎はケースの蓋を閉じると直ぐに事務員の女性を呼び寄せて日本画や浮世絵専門の鑑定士のいる浮世絵鑑定倶楽部へと連絡を入れた。

「信じられないが…一応調べておくことにする」

と言い

「結果は知らせるので結果が出るまで展示は見送りにする」

と告げた。


夕矢と剛士は連絡先を教えて千登勢アートセンターを後にした。

夕矢は帰りの車の中で

「…だから、俺を呼び寄せたのかなぁ」

偽物だって知らせるために

と呟いた。


剛士は「…かもしれないな」と言い

「本物を引き摺り出すためかもしれない」

と呟いた。


最後までお読みいただきありがとうございます。


続編があると思います。

ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。

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