怪盗クロウと真贋の意味
ケースに入っていた宝石はグリーンド・アメシストとルビーとサファイアであった。
絵はがきは千登勢アートセンターと下に書かれた宝石や絵画の写真が写り込んだハガキであった。
夕矢は下船してから車で初日のホテル『グリーンヒル小木』の部屋でゴロンと寝ころんで身体を伸ばしながらケースに入った宝石とハガキを見つめていた。
「きっと意味があるんだろうなぁ」
と呟いた。
こう言う謎解きは得意ではないのだ。
夕矢は顔を顰め
「ふにゅぅ」
と呟いた。
剛士と夕弦は座ってお茶を飲みながら夕食前にゆっくりと身体を休めていた。
夕矢は「ごめーん」と言うとケースを真上から写真を撮るとLINEで春彦に送った。
『これ意味わかる?ごめん』
それに回答が返った。
『あってるか分からないけど良い?』
夕矢は頷いて
『いい!俺全く分からないから』
と送った。
すると
『8月29日 火曜日 午前10時 千登勢アートセンター』
と返った。
夕矢は飛び起きると
「は?」
と声を上げた。
同時に夕弦と剛士が驚いて夕矢を見た。
夕弦は夕矢を見ると
「どうした?」
と聞いた。
夕矢はそれに
「ケースに入っていた宝石のメッセージが日付けと時間だった」
と告げた。
夕矢は思わず電話を掛けた。
「ごめん、なんで?」
それに春彦はパソコンを弄りながら
「うん、始めは宝石言葉かと思ったんだけど…グリーンド・アメシストって殆ど聞いたことないから…グリーンド・アメシストを中心に検索掛けたら日付けでヒットしたんだ」
誕生日石でグリーンド・アメシストは8月29日なんだ
「その方向で調べたらルビーは火曜日でサファイアは午前10時でヒットした」
と言い
「ルビーとサファイアは他にも7月とか9月とか誕生石であるけどグリーンド・アメシストはヒットしないから違うと思う。意味も分からないし…恐らく8月29日火曜日午前10時が一番通じると思う」
と告げた。
「予告じゃないのかな?」
…。
…。
夕矢は蒼褪め
「…ん、かも知れない」
と言い
「ありがとう、春彦さん」
と礼を言うと通話を切った。
最後までお読みいただきありがとうございます。
続編があると思います。
ゆっくりお待ちいただけると嬉しいです。