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運命の出会い

「なんだ? この『小説家になろう』っていうやつ。面白いんか?」


 電車に揺られながら、思わず小声で呟き、移動の間だけと思い、読み始めた。



 ……すっげー! 最高じゃん! この作家の話なんて、どうやって生きてこれば、こんなすごい世界作れるんだよ! 神だよ! 表現がゾクゾク来る! やべぇな!


 元々、読書は好きだったが、知らない世界がそこに広がっていた。




ーーーー


 大学3年生の冬。就職活動の疲れを癒そうと、息抜きくらいの気持ちで開いたページにあった小説は、素晴らしいものだった。


「どういうことだ? この世界、魔物がいるのか? 今まで読んだことない表現だが、最高だった! 主人公がチートで最強なのっておもしれぇな! 他の作品も、俺の語彙力じゃ最高しか言えないけど、最高だった!」


 俺も……この作品に関わる仕事してみてぇな……。そう思い、就職活動の希望業界を、出版社や出版取次に変えて、受験しまくった。



「次回選考にお進みいただくこととなりました」


「おっしゃーーー!」



「慎重に検討を重ねたところ、採用を見送らせて頂くことになりました。多くの企業の中から弊社を選んで下さり、ありがとうございました。本田(ホンダ) らいと様のこれからの益々のご発展を、心よりお祈り申し上げております」



「落ちたーーー!」



「ますますのご活躍を、心よりお祈り申し上げております。」



「こっちは書類で落ちたーーー!」



 出版や出版取次は全て受けた。

 広告や制作、印刷も受けた。

 手応えも感じたが、落ちた。

 全て落ちた。

 仕方ない、もう他業界しかない……。



ーーーー


 そうだ! この作品に関わるんじゃなくて、俺が何か作ればいいんだ! 小説は書いたこともないけど、読むだけたくさん読んできたし、小学校のときに作文で表彰されたことあるし、書けるかもしれねー! 俺が書いてやるか! もしかしたら、読みに読まれて、書籍化とかアニメ化とかしちゃうかもしれないしな! そしたら、不労所得ががっぽがぽになるかもしれねー!




「誠に遺憾ですが、今回の採用は見送らせていただきます。」


「って、別業界でもダメなのかよ!」

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