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メールの行方

作者: クロ

何もしたくない、今はそんな気分だった、憂鬱な仕事が終わり、急いで家に帰り、1人で晩ご飯を食べて、そしてお風呂もに入り、そうそうと寝る準備をしてすぐにベッドに潜りこんだ。



今日も仕事は最悪だったなと呟く、誰もいない空間。殺風景な部屋、私は昔から趣味などはなく、部屋にはベッドとパソコンぐらいしかない、今まで26年間生きてきたけど、これと言って夢中になれるものがなかった。


友人はいる、けど、今は会いたい気分でもない、基本的に私はあまり人と関わりたくないタイプの人間だとは思う。


けれど最近、ちょっと気になるやつがいる、あくまで気になるだけで恋人になりたいとか、結婚したいとかは全くない。神様に誓ってもいい。


そんな事を考えながらベッドの端に置いあるスマホを取り、画面をチェックする。私は仰向けになりながら、何かメールがないかを確認する。


すると一件のメールが入っていた。私はちょっと考えて恐る恐るフォルダを開いてみた。


メールの内容はこうだった。


「お仕事お疲れ様、今日は大変だったみたいだね、まあ、君はあまり気にしないと思うけど、あまり仕事で無理をしないようにね、じゃあ疲れてると思うから、返信はしなくていいよ、お休み」


また、このメールだ、私が何か仕事で忙しい時にくるやつだった。別に今日の仕事は忙しくなかったし、家に帰ったのも夜の23時間だったし、全然大丈夫なのに、


私は朝から働いているけれど今日は仕事が早く終わった方なのだ、酷い時には深夜2時まで働いている場合もある、けれど趣味も何もない私にとっては働いている方がまだましだった。


けれどさっきのようなメールはちょくちょく来るようになった。


何故かはわからないけれどいつもこのメールを読むと心が前向きになれた。


送り主は会社の上司なんだけれど、年齢は私と一緒で26才だったはず、特に確認してないけれど彼は仕事ができる上司だった。


一応わたしの職場は10人ぐらいのグループなんだけど彼はいつも部下の心配をしていた。


仕事のペースが遅いならその人の仕事を手伝ったり、いつも人の体調を気遣って声をかけたり、多分優しい上司なんだろうなとは思う。


私は別に気にしてないけれども、だって私は仕事はいつも遅れてないし、助けらる要素もない、けれど彼はいつも、仕事手伝おうかと声をかけてくる。



私はそこまで関わりたくなかったので


「結構です、いいから、他の人のところに行って下さい」と言うだけなのだけれど


けど、彼はいつも、こう言う、


「君はいつも頑張ってて偉いね、けど、無理はしたらダメだよ、僕も何かあったら手伝うから、残業はほどほどにね」と言っていつも去っていくだけだった。



彼は変わっているなと私は思う


私は基本いつも会社では1人で作業をしている、お昼休みも1人だ、けれど最近は上司が勝手に私の机の隣に来て一緒にご飯を食べるようになった



きっかけはこうだ、


「君はいつも1人でお昼ご飯を食べているね、良かったら一緒にどうかな?」


私は顔を背けながら言う


「別に勝手にどうぞ、けど、私は喋りませんからね」




彼はニコニコしながら言う


「別にいいよ、僕は気にせず食べるから」


と言って私の隣に座りながらご飯を食べ初めた。



変わった人だなと私は思った。


彼は人気者なのでいつもいろんな人からお昼一緒にどうですか?と声をかけられているのに、わざわざそれを1人1人丁寧に断っていつも私の隣に来るのだ


不思議だ。私は別に人とかかわりたくないし、なんならずっと1人でもいい、化粧とかにも、興味がないし、ただ女性なだけで恋愛にも興味がなかった。


そんな事を繰り返し日々を過ごしていつの間にかメールアドレスを交換して今、現在にいたるわけだ、



私はスマホの電源を切り、ベッドに横向きになりがら、考える、


なんで、最近は彼の事ばかり、考えるのだろうと、私は一度もメールの返事をした事もないし、会社で彼に会っても冷たい態度で接するだけだった。


けれど彼はいつも、態度は変わらなかった、


いつも優しく私を心配してくれているようだった。


もちろん私だけじゃなく、他の人たちの事も気にして優しく接していた、



私は逆に彼の事が心配だった。いつも、忙しいのに人の心配ばかりして疲れないのかなと?それからいつも私と一緒にお昼ご飯を食べているけれど楽しいのかな?と


こんな私と一緒にいて変な噂がたたないのかな?と


私は彼の立場が心配だった。多分、彼は気にしないかもしれないけど


私は目をつぶりながら考える、たまにはメールの返事をして見ようかな?と一年間放って置いたメールのフォルダには彼からのメールで一杯だった。


今度は私が彼にメールを送る番なのかもしれない?と謎の理論を考えてついに眠気がきて、私は深く眠るのだった。


たまには彼に優しくしようと考えながら


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