7話
「お客さん着きましたよ」
やっと着いた
「この大きな家がお前の新居か?」
カンナは目をキラキラさせながら何十階もある
いかにも金持ちが住んでそうなマンションを見る
僕は煌びやかなマンションの隣にある古いマンションを指差す
「あ、いや違う。その隣のマンションが僕が住む家…」
「・・・。」
あからさまにガッカリされている
「は、早く入ろうか」
少し強引に手をひきその古いマンションに入った
「・・・。」
カンナは無言のまま
どうやらショックだったらしい
部屋の鍵を開けて中に入る
まだ荷物が届いてないからかなり殺風景なワンルーム
「何も無いではないか‼︎これでどうやって生活するつもりだ?別に私はかまわんがお前はこれでは困るのではないか?」
やっと喋った
家具も何も無いからカンナの声が響く
「荷物はこれから届くんだよ。もうすぐだと思う」
「そうか」
一言そう言うとバレリーナのようにくるくる回りながら部屋を見渡している
黒のレースのワンピースがヒラヒラ靡いているので
スカートの中見えそうだ
本人は全く気にしてないみたいだけど
目を逸らし誤魔化すように話を切り出した
「カンナ、荷物が届いたら手伝ってくれよ?どうせ一緒に住む気なんだろ?」
「確かにお前と一緒にここに住むつもりだか、荷物の整理は私は手伝わん」
腕を組んでツンとした目で僕を見下ろすように言う
まぁ身長は僕の方が高いんだけど
カンナはかなり小柄だ
「手伝えよ‼︎タダで住むつもりか⁉︎お金も持ってないんだし手伝いぐらいしろよ‼︎」
「もうお前もわかっとると思うが私は人間の事に少し疎い。何が何なのか分からんと整理のしようがないと思わんか?それにタダではないだろうが」
「お金持ってるのか?」
「そうではない。命を助けてやっただろ?お前の命を助けるかわりに行動を共にしているのだ。その為にわざわざ私が着いてきてやってるんだぞ。それで充分無償で私を住まわす理由にならんか?」
「ならないよ‼︎何だよその屁理屈‼︎」
「屁理屈とはなんだ‼︎ではここに住むかわりに私がお前の血を吸ってやろう。光栄だろ?」
ツンとした表情からニヤリと口元が動く
「もういいよ1人でするから」
「では私は少しこの辺りを探索してくる」
裸足の足でペタペタと歩いて部屋を出た
はぁ、探索って何だよ
ピンポーン
荷物が届いたな
どんどん運ばれてくる荷物の量を見て
これを1人て整理するのかと考えただけで
移動で疲れた身体にさらに疲労が増した
カンナが帰ってくる前にある程度片づけるか
文句を言われても面倒だ
重い腰を上げ地道に荷物を整理を1人もくもくとする僕だった