19話
血を吸ったことで姿が変わったカンナ
銀色の髪は黄金色に、赤い瞳は碧色に
そして身体も15歳ぐらいの見た目から20歳ぐらいの見た目になった
それが元の姿だと言ったけど
最初に見た姿が銀髪に赤い瞳で自分と同じ歳ぐらいだったから
僕はあまりしっくりこなかった
1日経ってカンナの言う元の姿ではなく、僕が最初に見た姿に戻ったので
月曜日の今日2人で学校に行っている
「なんで普通に登校できるの⁉︎佐藤 如月とあれだけの事があったのに⁉︎」
「大丈夫だろ?窓が割れたぐらいだったし」
「いやそれ全然大丈夫じゃないから。大騒ぎになってなかったらいいけど。それと佐藤 如月の事も気になる。カンナはあいつの血を全部吸ったわけじゃないんだよね?」
「そうだ。しばらく動けない程度に加減はした。佐藤 如月も吸血鬼だ。少々血を吸われたぐらいで死にはせんよ。安心しろ」
「いや死んでないから怖いんだって。また襲ってきたらどうするんだよ!」
「殺しておいた方がよかったか?物騒な事を言う奴だな」
「そうゆう訳じゃないんだけど…」
「なぁ弥生くんよぉ。これ、どうゆう事かわかるか?」
「え?何が⁉︎」
カンナが真っ直ぐ指差す先には
学校の校門に警察やらパトカーがいて登校している生徒に聞き込みをしているようだった
「やっぱり大騒ぎになってるじゃん!!」
「いやぁ警察沙汰になるとは。私も甘かったな、ハハ」
「笑い事じゃないから」
「まぁ元はといえば佐藤 如月の方から仕掛けてきた喧嘩だし?私らも被害者とゆう事で」
「そうゆう訳にもいかないでしょ、どうするんだよ」
「普通にしていれば良いだろう。吸血鬼が争った痕跡など人間が解明できるはずないからな。そもそも吸血鬼の存在を知ってる人間はごくわずか、私とあいつが学校で暴れた証拠なんぞ出てこんよ」
「そこまで言いきるなら任せていいんだな?」
「あぁ、心配せんでよいわ。私に任せておけ」
まぁカンナがここまで言ってるんだし大丈夫か
意を決して校門へ行く
「あ、君達もちょっといいかな?」
早速声をかけられた
「1年1組の教室が荒らされたようになってたんだけど、何か心あたりはないかな?」
カンナ、なんて答えるんだ?
「さぁ?吸血鬼にでも忍び込まれたんじゃないですか?」
嘘だろ?…
「(なに本当の事言ってんの⁉︎)」
「(下手な嘘は逆に怪しまれる。それに本当の事を言って信じる奴なんぞおらんよ)」
アイコンタクトで会話が成立したのは今回が初めてかもしれない
「こんな時に冗談を言うものじゃないよ。さっさと行きなさい」
「はーい」
なんか知らないが誤魔化せたみたいだった
「もっと上手く誤魔化してくれよヒヤヒヤしただろ⁉︎」
「上手く誤魔化していたであろ⁉︎逆にどうすればよかったんだ?」
「あ…」
「あ…」
なんとも気まずい人が目の前に来た