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神無月の鬼  作者: チビ・モッチ
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19話

「いやぁ久しいなぁ本当に昔の事を思い出すな」


カンナは自分の姿を鏡でまじまじと見ている


かれこれ1時間はずっとこの状態だ


「いつまでそうしてるんだよ朝飯食べないのか?」


「う〜んまだまだ見ていたいが腹は減った。しょうがない、飯を喰うか」


「しょうがないって、、、」


カンナはしぶしぶ僕の向かい側のテーブルに座る


「昔の事を思い出すって何を思い出してたんだ?」


「いやぁたいした事ではない。この姿の時は私はお姫様をやっていたからな。人に仕えられていた頃を、ちょっとな」


「え?お姫様って言った?」


「あぁそうだ。これでも私は元は村の姫だ」


味噌汁をズズーっとすすっている女が姫?


・・・。


「あぁ、女王様的な事をしていたとか?」


「お前の身体中にめぐる血、全部私にくれるのか?嬉しいのう」


「いや!冗談だって!でも、カンナは吸血鬼だろ?」


「吸血鬼だから姫だったんだ」


「とゆうと?」


「私は気がついたらベッドの上で寝ていた。その時の時代では考えられないぐらいの豪華な部屋に寝かされていた事を後から知った。私もうその時から姫だった。村中の人々が私に貢ぎ、私の姿を見た者は涙を流した。それは、私がこの世で1番美しい鬼、吸血鬼だからだ」


「そりゃ結構なことで。でもなんで吸血鬼だからって姫にするんだ?美しいただそれだけで?」


「それもあるが、1番は吸血鬼である私の機嫌を損ねて襲われて血を吸われるのを恐れていたからだな。みんな私の事など知ろうとせず、ひたすら恐れて私の機嫌を毎日毎日伺っていた。」


「なるほどね。でもどうであれお姫様。女の憧れだな。良い思いできてたんじゃない?」


「良い訳があるか!私は姫になんてならんでも皆と普通の話がしたかった!作り物の笑顔など向けられても虚しいだけだ!」


そうゆうものなのだろうか


でも、カンナは今は姫じゃない


でも、今まで普通に接してきたけど元とはいえ姫だった


姫だった頃の周りの人達の接し方が嫌だったなら

今のようにこれからも接して良いのかな?


"元"お姫様相手に


「お前いらぬ事を考えておるな?言ったであろ。私を恐れ気色の悪い笑顔でアレやコレらを貢いできた奴らを私は好かんかった。私が姫をやっていたのだってただの暇つぶし。気にする事はない。今まで通り接してくれれば良い」


「わかった」


何故かカンナが元お姫様と知って

その元お姫様と対等に話す事ができている状況が少し嬉しかった


そしてカンナの言う通り、次の日には銀髪の赤い瞳に戻っていた

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