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神無月の鬼  作者: チビ・モッチ
16/21

15話

カンナと佐藤 如月に睨み合いが続いた


実際には長い時間ではないと思うけど

僕には長く感じた



「じゃあ、遠慮なく」


そう言って先手をきったのはカンナだ


真っ直ぐ佐藤 如月に向かって飛び込んでいく


その勢いは踏み込んだ床にヒビがはいる程


あっという間にに佐藤 如月の真正面に出た



「真正面からくるなんて、やっぱり馬鹿なの?❤︎」


カンナは手刀で佐藤 如月の喉を突こうとしたみたいだが、あっさりかわされその腕を掴み握り潰した


「クッ…」


バキバキッと骨が砕ける音がした


初めて聞く音に身体が反射的にこわばる


しかしカンナは一瞬顔をしかめた後その掴まれた腕を自分の方へ引き寄せた


佐藤 如月はカンナの方へ引っ張られる


そして間髪入れずにカンナは佐藤 如月の腹に思いっきり蹴りをいれた


引っ張られた勢いに異常なまでの脚力で蹴り飛ばされた佐藤 如月は吹っ飛んでいき

教室の窓を破って外へ放り出された


その後を追いカンナも割れた窓から外へ飛び出した


僕も後を追いたいがここは3階

今の闘いを見る限りでは佐藤 如月もカンナも無事だろうが僕はそうはいかない


急いで階段を駆け降りる


幸い窓の外は校舎裏だから人はいないはずだけど

絶対にいないとは限らない


今の状況を一般の人に見られるのはまずい


もつれそうになる足を必死に動かして前へ進む


もうすぐカンナのところに着く



はぁ はぁ はぁ


僕が着いた時には

佐藤 如月の上にカンナが馬乗りになって首元に噛み付いていた


「あ"あ"あ"あ"あ"っ!!」


佐藤 如月はどうにか振り払おうと暴れているが

なんかさっきまでの力がないような


「お、お前!!吸血鬼の血も吸えるのか!?あ"あ"っ何なんだよお前!!」


佐藤 如月はみるみる力を無くしていき

最終的に気絶した



ふぅっと息を吐いてカンナが立ち上がる


そして僕の方を見て


「びっくりさせてしまったかの?」


口元についた血を腕で拭いながら言う


その腕はさっきまで佐藤 如月に潰された腕だか完全に回復している


「まぁ、びっくりした、かな。でも一周回って逆に冷静とゆうか」


「ははっ、思っていたよりお前は肝が座っておるの」


笑うカンナはさっきまで闘っていたとは思えないぐらい

いつも通りの表情だった


「佐藤さんは?」


「あぁ、大丈夫だ。死ぬような量の血は吸ってない。しばらくすれば目は覚めるだろ。そうなる前にさっさと帰るぞ」


そそくさと僕達はその場から去った




何事もなかったかのようにいつもの帰り道を歩く


沈黙が続いてちょっと気まずい


「あの、佐藤さんの血を吸って気絶させたの?」


「まぁな」


「佐藤さんなんか、吸血鬼の血を吸うのかー!!とか言ってたけど」


「あぁ、あれな。まぁ吸血鬼同士で血を吸う事は普通できんのだ。身体が拒否反応を起こして血を吸うどころじゃなくなる」


「じゃあ何でカンナは吸血鬼である佐藤さんの血を吸えたの?」


「確証はないんだか、私は吸血鬼の母と人間の父の間に産まれたハーフだからだと思う」


「え?」


「純血の吸血鬼じゃないから吸血鬼の血も吸えるってことだ」


「いやいやいや!!吸血鬼と人間の間に子供なんてできるもんなのか!?」


「ありえん話ではないであろ?吸血鬼だって元は人間だったのだから。生殖機能さえ」


「わかった!わかったから!!」


びっくりした

とんでもない事を言おうとしたぞこいつ


「とりあえず帰ったらゆっくり話してやるから今は落ち着け」




とりあえず、帰る事にした

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