14話
え?
何?
僕はその光景から目が離せなかった
「嘘つきにはオシオキが必要だね❤︎」
尖った歯が僕の首に突き立てられようとした瞬間
ガッシャーン
と大きな音と同時に佐藤さんが吹っ飛んでいた
「こんな事だろうと思ったよ」
カンナ?
「大丈夫か?」
「うん、多分大丈夫」
「いってぇなぁ」
昨日見た佐藤さんとは雰囲気が全然違う
おさげはほどけて長い髪が顔を隠している
しかしその髪の色は黒から金髪に変化している
「カンナ、もしかして」
「あぁ、佐藤 如月は吸血鬼だ」
「あはっ❤︎気づいてたんだ」
佐藤 如月は長い前髪をかき上げながら言った
その瞳は髪の色と同じ金色に光っている
「ダメじゃない私が吸血鬼ってわかっていながら獲物を1人にしちゃ❤︎」
「こいつは獲物じゃない!手はださせんぞ!」
「だったら責任もってちゃーんと捕まえておく事ね❤︎私が吸血鬼ってバレちゃったし、本来なら生かしておかないんだけど」
「お前に命令される筋合いはない!それにこいつとは契約を交わしている。絶対殺させはしない」
「契約?あっはは❤︎眷属にでもするつもり?」
「お前には関係ない事だ。2度と私らに関わるな!」
普段の可愛らしい雰囲気のカンナとは違って
牙を出し鋭い目で睨む姿はまさに吸血鬼
もしかしたら僕はカンナの事をどこか身近に感じていたのかもしれない
もしかしたら僕は、カンナは吸血鬼である事をちゃんとわかっていなかったのかもしれない
「そうゆう訳にはいかないよねぇ、私が吸血鬼ってバレた以上殺すか今すぐ眷属にしてもらわないと困るなぁ❤︎」
「私と共に行動するとゆう契約を交わしている。こいつは自由に動けない。それで問題ないであろ」
「いやいやその契約って口約束だよねぇ?信用できる訳ないでしょ馬鹿なの?"オバさん❤︎"」
「口の利き方も知らんお嬢ちゃん。私がお前を今殺すとゆう選択肢もあるって事を"大人のお姉さん"が教えといてやろう」
「あなたに私が殺せるの?見るかぎりかなり長い間血を吸ってないんじゃない?そんなあなたがちゃーんと"食事"をしている私に勝てるのかしらねえ❤︎」
「殺ってやろうか?」
「やれるものなら勝手にどうぞ❤︎」
殺伐とした空気に僕は声を発する事もなく、逃げる訳でもなく、ただただ動けずにいた