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神無月の鬼  作者: チビ・モッチ
13/21

12話

教室の中にいる全員の視線が一気にカンナに集中する


「やべーめっちゃ可愛いじゃん」


「外国人だよね?綺麗な髪」


「色白すぎ、お人形みたい」


次々と聞こえてくるカンナの容姿に対する感想


カンナは少し俯いたまま動かない


もしかして、照れてる?


「カンナ、大丈」


僕が言い終わる前に俯いた顔をあげ

とびっきりの笑顔になった


「みなさんこんにちは!河合 カンナです♪今日からよろしくね♡」


教室中が歓喜の声で溢れかえる


しかも河合とゆう苗字は僕の苗字だ


「初めてましてカンナちゃん♪私は佐藤 如月(キサラギ)。よろしくね!」


最初に前に出て挨拶してきた彼女


カンナの右手を両手でギュッと握ってニッコリと優しい笑顔


メガネにキチッと着こなした制服に黒髪のおさげ


いかにも優等生って感じだ


ああゆう子がクラス委員になったりするんだろうなぁ


「隣にいるあなたは?」


「えっ?」


皆カンナにしか興味ないと思ってたから不意に声をかけられた事に少し驚いた


「あ、僕は河合 弥生」


「カンナちゃんと苗字一緒なんだ?親戚とか?たまたま、なんて事ないよね?」


「えぇっと…」


僕が困っているとすかさず


「そうなんだ♪弥生くんとは親戚で、実家から通うのは遠すぎるから今は学校の近くに一緒に住んでるの♪」


な、なんて事暴露してんだよ⁉︎

いや一緒に住んでるのは本当だけど‼︎


「ふ〜ん、男の子と女の子が一緒に住むなんてよくご両親許可してくれたね」


「私たちの親とっても仲が良いの♪反対されるどころかむしろ親の方から提案してくれたよ♪」


よくもまぁペラペラと嘘がつけるな


「へぇ〜そうなんだ」


そう言った佐藤さんがなんか一瞬こっちを睨んだ気がしたけど


まぁ年頃の男女が一緒に住んでるなんてどう考えても怪しいよな…


キーンコーン


「はい皆席についてー」


「じゃあカンナちゃん、弥生くん、またね。これから"仲良く"しようね」


ざわざわしていた教室が一気に静かになる


僕は席につきカンナの方を見た


机に覆い被さる感じで顔を腕に埋めているが僕にはわかる

微妙にこっちを見ている

そしてニヤニヤしている事も



何考えてんだよ本当に



なんとか新学期初日を終えられた


「いやぁ〜学校なんて初めてだったけど結構だるいな‼︎学生も大変だな‼︎ははっ」


う〜んと背伸びしながカンナは言う


帰り道


カンナと2人並んで帰る


「それよりあれは何なんだよどうゆうつもりだよ⁉︎」


「うん?何の事だ?」


ニヤニヤしながら顔をかしげる


わかっててやってるんだコイツは


「カンナが苗字は河合だとか一緒に住んでるとか言った事だよ‼︎」


「一緒に住んでるのは本当の事だろ?苗字は仕方なくだ。私には苗字など無いからお前の苗字を使わせてもらってるだけだ」


「だからってそれを正直に話すなんて」


言いかけた所でカンナがふわりと僕の方に距離を詰めてきた


「一緒に住んでる男女が苗字が一緒。まるで番いのようだな。弥生くん♡」


カンナ耳元で囁くように言った


「ば、馬鹿離れろよ‼︎何考えて、しかもつ、番いとかキモい事言うな‼︎」


「きゃははははは。顔が真っ赤だそお前こそ何考えてんだよ」


囁かれたて熱くなった耳を押さえて睨んでみるが


カンナは独特な甲高い笑い声を上げて笑うばかりだった


本当に、これからの学校生活が心から心配だ


「まぁ、帰ろうか家に」


僕に手を差し出すカンナの銀髪は

夕日に照らされて黄金のように光っていた

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