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僕は特別だ。
できない事なんてない。
なんだってやればすぐできるし、いつも1番だ。
1番になる事は僕にとって簡単な事だった。
勉強も運動も、美しい恋人を作る事も。
欲しいものは何だって手に入った。
そんな特別な僕は、
僕より特別な存在を知る事になる。
その儚くも力強い美しい鬼に
思い知らされる事になる。
もがき苦しみ足掻いても手に入らないものがある事を。
だか、神にも近い"その存在"に
偶然暇潰しの相手に選ばれたのだから
やっぱり僕は特別なのかもしれない。