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番外編6 眩しい理由

登場人物


スズキ氏

老舗縫製工場のファクトリーブランド「□O:△O」のブランドディレクター。

完璧超人の雰囲気が漂うジェントルマン。


サトー氏

「□O:△O」のプロダクションコントロール。

忘れん坊大魔王にして最強のポジティブ人間。


タカハシ

「□O:△O」のパタンナー兼サンプル縫製担当。

自尊心の低さなら誰にも負けない。

本作の主人公。

 サトー氏は生産管理と言うこともあり基本工場内にはいるのだが、なんてったって「みんなのアイドル、サトちゃん」。いつも誰かに呼ばれては工場内を走り回っているので腰を据えて話をすることがほとんどない。

 対してスズキ氏は「□O:△O」の営業と広報を担いつつブランドディレクターも兼ねているので(これとは別にちゃんと所属先の仕事もこなしているようだ)そもそも社内に居ないことも多いのだが、工場に入り浸り始めるとその辺の企画部門の人間よりも長い時間居座る(断じて言うが、迷惑ではない)。

 そんなわけで、スズキ氏とは話している時間が長い。

「□O:△O」の方向性から工場の存在意義、本日のファッションやらどうでもいい笑い話まで。

 そんなわけでたまに意見が反ることもある。しかし、往々にしてO型同士と言うこともありそこまで険悪モードにはならないし、サトー氏のポジティブ力が挟まると一気に和む。


 その日は仕事の方向性の話でもしていたのだろうか。

 中途採用で入社してグングン頭角を顕す二人と、新卒で入社してうだつが上がらないまま十年以上もボンヤリと過ごしてきた自分を比べてうんざりしていることを思ったまま吐露していた。

「はっきり言って、なにしてんだろーなって思うわけよ」

 すでに完全なる愚痴になっていた。

 そのとき、それまでうんうん、と話を聞いてきたスズキ氏が口を開いた。

「きっとさー。オレに会うためにタカハシさんはここに入ったんだよ」

 …………。

 おいおい。

 なんかすごいセリフ仰ったぞ。

 下手をすれば青春恋愛マンガになりそうなセリフだったのを、思わず「ははっ」と笑い飛ばした。

 てかそれ、勘違いする人いるかもしれないから言う相手と場面をしっかり考えろ?

 心のなかでつっこむ。

 まあ要するに、「一緒に仕事出来て良かった」と言いたいのだろう。

 にしても、すげー自信。

 どうりでスズキ氏はキラキラして眩しいわけだ。


 そんなわけで、神様が投げて寄越した偶然をものすごい力で手繰り寄せているスズキ氏は今日も超人さながらの仕事をこなしている。

このときのスズキ氏のセリフはいろんな意味でショーゲキだったな。

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