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11 ところで…… パンツ編

登場人物


スズキ氏

老舗縫製工場のファクトリーブランド「□O:△O」のブランドディレクター。

完璧超人の雰囲気が漂うジェントルマン。


サトー氏

「□O:△O」のプロダクションコントロール。

忘れん坊大魔王にして最強のポジティブ人間。


タカハシ

「□O:△O」のパタンナー兼サンプル縫製担当。

自尊心の低さなら誰にも負けない。

本作の主人公。

「ところで、タカハシさんはパンツもレパートリーに入ってる?」

 シャツジャケットのプロトタイプが完成した直後にスズキ氏が問うた。

 パンツ、この場合スラックスという意味だが、それについてはある程度の自信はあった。

 パターンオーダーの型を担当していた時期もあったし、縫製面では現場で丸上げしていたこともある。なんならいまだに特急の丸上げ案件も急遽入ってくるぐらいだ。

「出来るよ」

 返事に満足したようににこりと笑みをこぼすスズキ氏。

「袴ベースのパンツを作りたいんだよ。最終的にシャツジャケとセットアップにしたい」

「ほう」

 うなずくわたしの頭の中にいくつかデザイン案が浮かぶ。

「釦とかファスナーは付けない仕様で」

 その言葉で頭のなかは一旦白紙。

「マリンパンツとかグルカパンツみたいな仕様参考に出来ないかな」

 見せられた資料画像を眺めながらうなずいた。

 なんか、かわいいデザインだ。

 釦やファスナーを付けないとはかなり攻めた仕様だが、面白そうじゃないか。

「時間あるとき型引いてみる」


 袴ベースということで、ウエストの留めはヒモになることは想像に容易い。

 だがしかし、ヒモをどのように機能させれば良いのか。

 手探りのなか試しに作ったサンプルは「良い出来」からはほど遠かった。

 グルカパンツをベースにしたデザインとマリンパンツをベースにしたもの。どちらもいまいちピンと来ない。

 これはどうしたものか。

 そうしてパンツの開発はデザイン出しから暗礁に乗り上げてしまった。

パンツはかなり迷走した。

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