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9 受け入れる寛容 シャツジャケット編

登場人物


スズキ氏

老舗縫製工場のファクトリーブランド「□O:△O」のブランドディレクター。

完璧超人の雰囲気が漂うジェントルマン。


サトー氏

「□O:△O」のプロダクションコントロール。

忘れん坊大魔王にして最強のポジティブ人間。


タカハシ

「□O:△O」のパタンナー兼サンプル縫製担当。

自尊心の低さなら誰にも負けない。

本作の主人公。

 ファーストサンプルにより、見頃はほぼ完成形になった。

 がしかし、袖のデザインには多いに悩まされる。

 スズキ氏を持ってしても何度も試作を繰り返すことになった。

 前作の「スモック」がスムーズに完成したせいもあるのだろう。デザインが定まるまでにかなり時間をかけていた。

 デザイン案を型に起こし、サンプルを作ってはボツになる。いや違うな。ボツと言うよりはバージョンアップか。


 この頃になると工場の中心的存在になっていたサトー氏はほとんど「□O:△O」の製作に関わることがなくなってきていた。

 それでもサンプルが上がると、サトー氏に現状を報告(一応、直属の上司ということもあり)。

「うーん。なんか、あんまり好きくないなあ」

 なんてことは多々ある。

 そもそもサトー氏とスズキ氏、服の趣味が全然違う。とはいえ、わたしは単に形を起こすことヘの楽しさが先行するので、やったこと無い方ヘ進んでみたい。作るだけ作ってダメなら方向転換すれば良い。それがわたしの役割。

 二人の異なる理想系は分かっているからどちらかにつくことはしたくないし、もちろんどちらかを否定もしたくない。それは卑怯だとサトー氏から言われたこともあるが、わたしは縫製上無理なこと以外は否定をする気は無かった。


「スズキが言う。タカハシが頑張る。サトーが拒否る」

 サトー氏が冗談で言った言葉。

「でも頑張るタカハシがかわいそうなので最終的に受け入れます」

 受け入れ態勢はいつでも整っているようなので、確認サンプル丸上げします。

 出来上がったサンプルを見せれば、どうせ「良いじゃん」て言うんだろ?

 裁断されたパーツを前に、気合いをいれた。

本気でしんどい仕様を経て、何とかここまで来てみたが。

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