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規格外の初心者神コハル〜コハルを救った僕は惑星の怪物となったらしい……え??

作者: 夜に咲くZero


「…」

頭が、ぼおっと……思考が途切れて…

ふわふわ温かい感覚…そして…不安。


















「…あっ、れっ…」


「おはよーございますぅ、はるたさまぁ。これからぁ、せいいっぱいーコハルはお使えします!」


舌足らずな声が聞こえた。


「…っ」


白髪に、金色?の瞳の女の子がいる。頭から、獣耳(狐)が生えていて、尻尾もある。まるでアニメや漫画から飛びたしてきたみたいだ。これが、コスプレイヤーという人なのか?


おはよう、という言葉は辛うじて聞き取れたけど…耳鳴り、頭痛、霞む目、だるさ、火照った体…







つまり、高熱だ。



「…」


「あれ、寝ちゃった?うーん、説明まだしてないのにぃ…」




















「知らない天井だ…」


まさか、僕がこの言葉を言うことになろうとは思わなかった。所詮、漫画やアニメは空想のものだ。望むわせにはいかない。ご都合主義なんて起こるわけないし、世界は危険ばかりなのだから。


「あ、おはよーごさいますぅ、陽太さま」


「………うえっ!」


「ふぇっ!こ、コハルの姿は変ですかぁ?」


こはる?さん、は驚いて言う。


変とは?たしかに、普段着としては変だろうが、こはる?さんの姿は綺麗で可愛いのだ。


「い、いや…」


「良かったですぅー!」


無邪気に嬉しそうだ。耳も一緒にピコピコ動いている。 


…動いて?る?


「み、耳!」


「耳がどうしたですぅ、じゃなくて、しましたぁー?」


「だって、ほら、動いてる!」


「耳は動くものですぅ!」


「へっ?いや、まぁ、動く人もいるだろうけど、普通動かない、と言うか、えっと…」


「えぇ、そうなんですかぁ?じゃあ、食堂にいた人は珍しいんですねぇー」


「食堂?そう言えば、ここって?」


「宿屋ですぅ!聞いたら、おすすめされましたぁ!下に、いって見ますかぁ?ご飯食べれますよぉ!この宿は泊まると、ご飯がついてきますからぁ!」



グゥ……


「お、お願い」


「わっかりましたぁー!コハルが案内しまぁーす!」




















階段を降りると、そこには異世界が広がっていた。


人にはあるはずのない、角や鱗、耳や尻尾、そして、尖った耳をした者もいた。その半分以上のが鎧や武器を装備している。

 


「どーしましたぁ?陽太さまぁ?」


「い、いや…」 


僕は呆然とした。

なんだこの物騒すぎるファンタジーな世界は…流石に、夢だとしても僕自身に引くわぁ…


「陽太さまの世界はぁ、たくさん人がいませんでしたかぁ?」


「…いや、人はいたけど、尻尾や角の生えた人は居なかった、ね。」



「じゃあ、びっくりですねぇ!」


「そうだね、情けないけど腰が抜けそうだよ」


「その時は、コハルが支えますよぉ!」


「ははっ、ありがとう…」


「それじゃぁ、席に座りましょう!コハルは早く食べたいです!」


そう言って、コハルは近くの空いている席に座った。僕も続けて座ったが…衛生面は大丈夫だろうか?


「いろいろあって迷いますねぇー」


「うん、でも僕はおすすめにするよ」


「じゃあ、コハルも!」




メニューの文字は、見えるし、テーブルに指でそれを書こうと思うと、スラスラ書くことができた。ご都合主義すぎな夢だなぁ…僕は、こういうものを嫌っていたはずなんだけど。まぁ、夢見てはいたが…


「店員さんは…」


「ご注文は?」


一瞬で、店員の女性がやって来た。

呼び出しらしきボタンはあったけど、まだ押してないのに…


「っお、おすすめで」


「コハルも!」


「かしこまりました」


そう言って、店員さんは普通の速度で帰って…


「消えた…」


「ほら、あっちの席ににいますよぉ」


向かいあった席に座るこはるは、僕の真後ろを指す。


「ほ、本当だ」

 

気配が無いというか、混んでいるのもあるけど全然気づかなかった。


異世界、すごすぎる。いや、夢だけど、夢だけども…妙にリアルだなぁ…



「おすすめセットです。」


「うわっ!」(驚)


「わぁー来ました!早速食べましょう!」(喜)


「あ…うん」


料理は見たことない緑の魚とか、ピンク色の米とか、紫色の湯気の立つ、紫色のスープとかだったけど、どれも美味しかった。


ん?よく、臆せず食べたって?もちろん、一口目はこはるが食べたのを確認して食べたよ?チキン?何とでも言えばいい。だって夢だし、もし、夢じゃ無くても一口目だけは、相手に譲るよ。僕はそういう人間だからね。



















「ねぇ、こはる。冒険者ギルドってあるの?」


「もちろんですぅ!」


「そっか…」


「一緒に行くですぅ!」


「行かないよ」


「ふぇ?」


「だから、行かないから。これは譲れない」


「え、えっ、え………そう、ですかぁ…なら、世界中の旅にぃ!」


「だから、行かないよ」


「ふぇええっ!」


「お金は幾らある?」


「た、たくさんあるのでぇ、慎ましく暮らしたら一生分くらいはぁ」


「うん、ちょこちょこお金稼ぎしておこう」


「で、でも職につくには、冒険者以外は推薦が入りますぅ!」


「なるほど、それならしばらく慎ましく暮らしながら、推薦してもらうように頑張るよ」


「が、頑張りの方向性が違うのですぅー!!」


「ところで」


「は、はいぃ!」 


「こはるは僕の何?」


「…あっ、そう言えば、説明しそびれていたのですぅー。こはるは、陽太様の付きつきじんに選ばれたのですぅー」


「つきじん?」


「う〜ん、簡単に言えば、一緒に経験を積んで、最上位種族に成りましょー、ってことですぅ。コハルは神としての経験が足りないので〜陽太さまと一緒に勉強するのですぅー」


「最上位種族って?」


「種族族にはぁ、上位と下位があってぇ、人間もエルフもドワーフも獣人も竜人も鬼人もぉ、兎に角すべての種族にそれがあるのです!

そして、最上位種族とは、その生物がなれる最高の種族です!

例えばぁ、人間は頑張ればぁ、下位人間からぁ、上位人げん〜下位天使ぃ〜上位天使とランクが上がります!

ランクの上がり方は上位人間から上は多伎に渡りますぅ。

そしてぇ、希に人間で言えば元からぁ、上位人間だったと言うケースがあります!

その場合ぃ、天使より上の神になることが出来るのですぅ。コハルはその典型なんですよぉー」


「なるほど、つまり君の都合で、僕は勝手に連れて来られたと。」


「そっそう言えばそうかもしれません〜…」


シュンとして耳が垂れた。


…か、可愛いけど、心を鬼にしなければ。僕の立場が掛かっているんだ。


「なら、君は付き合ってあげている僕に、感謝すれども、指図する謂れは無いわけだ。」

 

「ふぇええ…ごめんなさいですぅ…でもっ頑張らないとっ、周りに怒られちゃうのですぅ…」


「それは僕に関係ないね。」


「ひぇええっ…容赦ないですぅ!」


「でも」 


「でも?」 


「君が僕に対して、優遇する事が出来るなら、手を課さないでもないよ」


「優遇ぅ、ですかぁ?」


「そう、例えば、絶対に相手からの攻撃を全て無効にする、とかね。」


「むぅ…管理者権限は持っていないのでぇ、ある程度調節することしかできないですけどぉ…次元をズラスだけならぁ、大丈夫かもしれません〜ちょと待ってください〜…」


「まって、それって安全なの?」


「多分?」


「やめて辞めて!もっと確実なのを探そうよ!」


カチッ…


「あっ…」


「どうしたんだ?」


「これはぁ…やばいですぅ…」

 

「ど、どういうふうに?」


「と、兎に角逃げるのです!」


カチリッ…



















「Parent…」


「へ?」


「全く、勝手なことをしてくれたな。あそこの管理者権限は渡していなかった筈だが………

ああ、ロックを破ってしまったか。

そんな、怪物まで生み出しおって…忌々しい。罰を与えなければ、な。」


白いゴルフボールサイズの球体から、声?いや、意識が伝わってくる。あたりは真っ暗だが、繋がれた手の震えるを感じた。


「…っだ…やだよぅ…」


微かな声がする。しかし、ここで動けば僕も危ないかもしれない。


でも、もしも、もし助けられたとすれば…

今までのコハルとの思い出が走馬灯のように浮かんでは消えていく。

僕はいつだって臆病だった。

いつだって保見に走った。

でも、そんな自分が、いつも嫌だった。

本当は漫画に出てくるような、ヒーローに成りたかった。


強く優しいヒーローに…僕はなれない。


















昔の思い出だ…


「知ってる?〇〇〇〇マンって、本当は世界で一番弱いヒーロー何だって」


「そんなわけ無いだろ?あんなに〇〇〇〇マンをやっつけてるのに」


「でも、いつも他人の力を借りてるじゃない」


「ふーん?」


「どんなに弱くても、ピンチのときは皆ヒーローになれるんだって…」 


「そんなわけ…」



僕っ、は…



















助けなきゃ



















「「!!」」













「…っ、あの怪物のせいか…………


全く、厄介なものがまた増えた。私ほどの力を扱える、あいつといい、星の力を歪んで取り込んだあの怪物といい…
























何故、尻叩き一万回の罰を大人しく受けんのだ!!」




どこからか、乙女にとっては最大の恥ですぅ!という、声が聞こえたとか、聞こえなかったとか……



















「ありがとうございます、陽太さま!この、コハルどこまでもお供します!」


「あれぇ、舌たらじゃないぃ…いつぅ!?」 

 

こはるは少し、いや、確実に成長している。13歳くらいだったのに、今は16歳くらいになっている。


「あ、余りかないでください!陽太様のお力であの空間から強制転移を発動させられたのです。アレでも、私の親なので抗うための力はかなりのエネルギーを消費した筈です」


「そっかぁ〜僕ぅ、助けられたんだぁ」


「はい、ありがとうございます、陽太様!私を外の世界へ解き放ってくれて!」


「外の世界ぃ?」


「はい。普通、神は箱庭、つまりは宇宙を作り、その中で眷属や子供を生み出します。子供は成人するか、成熟したと認められると、自身の箱庭を作ることが許されるのです。結果的にですが、私は親の箱庭を抜け出すことができました。箱庭の外の世界は、神であっても私達を探すことは難しいのです」


「ふーん、絶対追ってこない〜?」


「絶対、とは言えませんが…」


「ならぁ、どうすれば限りなくぅ、絶対に近づけるぅ?」


「…そうですね、ここから離れて箱庭を創ればよいかと」


「ならぁ、そうしよう〜」


「ふふっ、そうですね。私の箱庭、夢みたいです!」


「夢じゃないよぉ?」 


「ですね!」


そう、これは夢じゃない。

それは、こはる改コハルが星の力を歪に僕に込めてしまっときに入ってきた知識で分かったことだった。

それによれば、箱庭の世界で、神に叶うものは神しかいない。つまりは、物理的に害されることは無くなったのだ。


膨大な知識が入ってきたんじゃ無いのかって?いや、そうでも無いんだ。

神の基本的な成り立ちと、あの星の作り方のツール?みたいなのはあるんだけど…

それだけ、みたいな?

つまるところ、知識が多すぎて、人格変わる〜的なことはなかった。

あぁ、でも、星の力を取り込んだことによって、精神力とかは強化されたかも。具体的には目の前で人が血を吹いて死んだとしても、目の前で人が転んだ程度にしか思わないと思う。

うん…大分変質してるよねこれ!!


まぁ、今から人の生死に関わることをするんだから、それくらいじゃないとついていけないだろうという事はあるし、仕方ないっちゃ仕方ないだろう…結局、考えてても変わる分けでもないしね!


まぁ、こはるが何故、あんなに震えていたのかとかは、わからず終いだけど。それは、こはるの方から話してくれるのを待つとしよう。



…と言うか、ステータスとか今なら出せるよねぇ?検索っと、回答は、出来る。


「いでよ、ステータスぅ!」



ーーーーステータス


固有名:河原かわら 陽太ようた


種族:ヒューマン/惑星(半神)成長限界


状態:肉体再生(最適化)


権限:なし


精神力:???


スキル:検索 惑星作成 創造


パッシブル:不屈の精神力 不屈の肉体 


不老不死 最適化 清浄 



ーーーーーーーーーーーー


「おぉ〜!!本当にできたぁ!」


「何がですが?」


「ステータスって言うんだけどぉ、意味分かるぅ?」


「もちろんです。意思疎通は神権限でちゃーんとできてますよ」


「その〜権限っていうのはぁ?」


「権限というのは、それに対してまぁ、支配する事ができるのです、極めると言ってもいいかもしれませんね。」


「なるほどぉ、コハルの権限ってぇ?」


「自分より、下位の神格を持たない生物すべてを支配する権限と、あらゆる事象を意のままに操る権限ですね。とは言っても、いろいろ制限もあるので全ては難しいのですが」


「それってぇ、コハルが僕とはじめにあったときも持ってたのぉ?」


「いいえ、あの時は私は箱庭に入っていたので、権限が抑えられていましたから。相手の箱庭に入るとは、相手に命を捧げることに等しいのです。」


「なるほどねぇ〜じゃあ、箱庭をつくろうか!」


「はい!」



















ーーーEND


















ーーー階段を降りる途中の会話



「宿屋ですぅ!聞いたら、おすすめされましたぁ!何故か、若いのに苦労するなぁ、嬢ちゃんって、言われましたけどぉーどういう意味ですかぁ?」



「…もしかして、えっと、こはるさん?が運んでくれた…とか?」

 

「そうですぅ!あとぉ、コハルって呼んでください!」


年下の女の子に運んでもらった……


「え、えっと、多分僕を運んでいたせい、だね。重くなかった?」


「全然ですぅ!」


「そ、そう」


なんだか、複雑な気持ちだ。


「コールミーコハル!さん、はい!」

 

「…」


「あ、なんで言ってくれないんですかぁ…」

 

「こ、こは」


「コハ?」


「こはるぅ…」 


陽太は顔を赤くして言った。


「!」(キュン)


このとき、コハルは陽太に生涯使えることを決めた。

見てくださりありがとうございます。

こちらの作品もよろしくお願いします


「桃太郎だけど鬼に拾われちゃったぜ!〜でも意外と充実してるのでニートしたい〜しかし無理な模様」

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