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伝説の魔物使いが死んだ後の世界がマジでヤバい  作者: しら玉草
第1章:ハイドロゲンスライム
8/58

VSスライムお休み回

今回は少しラブラブコメコメな回となっております。

マヒルの乙女な一面を書いてみました。


 まぁ、俺が使える武器の中で丸太が最強クラスなのはこのさい認めるとしよう。

 しかしそもそもどうやって丸太を手に入れるのか?簡単に手に入るのか?



 マヒルから聞いた話ではこの世界には木こりと呼べる職業は存在しない。

 森は基本的にモンスターの生息域であり、戦闘技能を持たない者は入れない。

 猟師が木こりもやったりするらしいが、それは獲物が獲れない時の副業との事だ。



 では普段は誰が?その答えは至極簡単なものだった。

 モンスターとの戦闘技能を持ちつつ年中時間を自由に使える職業、そんな都合の良い職業。そう、冒険者に他ならない。


 実は冒険者の納品クエストだったりする。意外と良い金額が稼げるとの事で金に困った冒険者が伐採しに行くのだ。

 つまり冒険者である俺たちなら丸太の入手はそこまで困難な物では無い、むしろ簡単に手に入るものだったりするのだ。…労力は必要だが。ちなみに今回は投げるのだから金にもならない



 かくいうマヒルもよくやるらしい。まぁ、あの斧だ、斬れない木など無いだろう。

 それもあって俺の丸太の投擲には驚いたらしい。

 近くにただ投げるだけならマヒルにも出来る。しかし俺の丸太投げは正に射撃。

 あんな速度と命中精度で巨大な丸太を投げるなんてあり得ない、なんて煽てられてもう豚でも木を登っちゃう勢いで照れ臭い。




 そう、本当に照れ臭いのだ。いやいや、本当に…。


「でなぁ、丸太運ぶ為に馬車か運び屋かって話にゃけど」


「あ、はい。馬車か運び屋か、ですね。はい」


「アサヒ?何でそんな固いん?今更敬語だし」


「え!あ、いえ!まだ平常時でございます!固くしてなどおりません!」


「…何言っとぉ?まぁ、今日は色々あって疲れたに、もう寝よか」


「ひゃい!?心の準備が出来ておりません!床で寝させていただきたい所存です!」


 そう、今俺はクックウェンの宿の、…マヒルの部屋に居る。



 突然この世界に来た俺は当然宿なんてとっていなかった。

 そして日は既に沈んでおりどこの宿も空き部屋など無い、そんな俺に手を差し伸べてくれたのはやはりマヒル様だった。



 いや、でもね。しかしだよ?

 言ったよね?モテた事無いって。…分かるよね?


 女の子と同室なんてドキドキして寝られるかあぁぁあああい!しかも!しかもだよ!?


「もー、何言っとぉよ、これさっきも言ったけど疲れとれにゃあし一緒にベッド使おて私言ったにゃあ?覚えとらんと?」


 ハードルたけぇよ!!パルクール使っても飛び越える自信ねぇよ!!



「は、はひぃ。わたくしめでよろしければご一緒させていただひまふ」


 でも抗えないの、男の子だから。




 ……… ……… …… …




 …外が明らんでいる。朝日が眩しい、アサヒだけに。

 結論から言おう、気が付いたら朝でした。

 あ、はい。そりゃもう爆睡でした。横になったとたんに疲れが押し寄せて睡魔になす術無く完ぷ無きまでに叩きのめされました。

 そりゃそうだよね。疲れてたもんね。毛布が心地好い…。


「アサ…ヒ?」


「むにゃむにゃ…あと5分…」


 もうちょっとだけ寝させて欲しいの、この毛布の抱き心地が神がかってるの。


「ちょっ…、あの…、流石に私でもにゃ…、えっと…」


「むにゃむにゃ…もふもふで…すべすべで…適度な弾力が…」


 毛布を更に抱き寄せる、ああ、これ欲しい。これ買う、頑張ってお金貯める。


「にゃあ!」


「ふあ?」


「…ねえ、いい加減」


「……………ぁ」



 やっちまったぁぁ!!そりゃ抱き心地良いだろうよ!毛布じゃなくてマヒル抱き締めて寝てたよ!服と鎧の上からじゃ分かりにくかったけど肌着だとけっこうモフモフしてたよ!毛皮あるの!?マヒル毛皮あるの!?どこからどこまで毛皮なの!?


 いや!いやいやいや!今はそれどころじゃねぇし!


 俺はマヒルとは反対側に素早く寝返りを打つとその勢いを生かしたまま片手で倒立、そして側転へと移行するとベッドから豪快に飛び降りて床に転がり込む。

 もちろんそれだけでは無い、マヒルに向かって正座!そして両手と額を床に付ける。


 そう!これこそが謝罪の最終奥義!


 DO☆ GE☆ ZA☆


「すんっ!ませんでしたぁぁああ!!」



 マヒルの顔が見れない、怒ってる?気になるが下げた頭を上げるわけにはいかない。



 ………。



 洗面所から水の流れる音が聞こえる…、水でもかけられるのだろうか。


 いや、違うようだ。今度は衣擦れの様な音が聞こえる、衣と言うよりは縄に近いギュッギュッって感じの音、…縛られる?締められる?…逆にご褒美かも。


 いや、残念ながらこれも違うようだ。今度は重たい金属音、これは何度も聞いた音だ。

 …マヒルの…斧。いやいや!そこまで怒ってらっしゃるの!?



「アサヒ…」


「ひゃい!」



「……いつまでそうしとぉにゃ、アサヒも早く準備しやぁよ」


「え!お仕置きされる準備ですか!?」



 頭を上げるとそこに居たのは身支度を済ませ鎧と斧を装備したマヒルの姿があった。

 マヒルの顔がほんのりと紅い、…これは、やはり怒ってらっしゃる?


「あの…、マヒル様?わたくしはどんな罰を受ければよろしいので?」


「にゃ!?…いや…んー、んにゃはは…」


「?…怒ってる、よね?」


 マヒルは俯いてモジモジしている、マヒルの女の子らしい仕草を見るのは初めてかもしれない。何て言ったって闘神とまで言われる獣人ライオルト族だからね。


「にゃふ…、その…にゃ、アサヒ人間にゃし、な?私獣人にゃし、私の体、腕とか、足とか、首とか、背中とか、…あと、まぁ、色々、毛皮なんて生えてて…人間にはちょっと…」


「あ、はい!モフモフですっごい気持ち良かったです!」


「にゃ!?……うー、それににゃ、私かなり筋肉質で」


「はい!すべすべで適度な弾力が気持ち良かったです!」


「にゃにゃ!?…うー、うー。…うへへ」


 マヒルの頬が弛む、笑っている?



「怒って…ないの?」


「お、おお怒っとぉ、怒っとぉよ!次は気ぃ付けてにゃ!」


「あ、はい。…次?」


「にゃー!…あ、罰!罰は要るね!?」


「もちろん受ける覚悟でございます」


「馬車の貸し出し代金アサヒが全額負担で!」


「ひいいぃぃぃ!」




ケモナー万歳(笑)

マヒルの可愛さをアピールしたかった、そんなケモナー回でした。

あとパルクールで土下座もやりたかったので満足(笑)

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