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伝説の魔物使いが死んだ後の世界がマジでヤバい  作者: しら玉草
第5章:プロミネンスソウル
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精霊王

間が大きく開いてしまいました。

申し訳無いです。


「ま、魔王って!?どういうこと!?死んだんじゃにゃかった!?」


 まぁ、そりゃ驚くよな。しかしそれでもマヒルもヒイリも混乱はしているが特にガイアに対して怖れた様子は見せない。

 見た目可愛いし敵意も無いからな、魔王だと言われても怖くは無いだろう。




「して、私に何を求める?そういう約束じゃったからの。あの時お主が応じてくれねば詰んでた身だ。最大限叶えよう」


「強くなりたい、そう求めたら何が出来るんだ?」


「そうだのう、そこのエルフの少年とライオルトの少女には精霊への呼び掛け…人間は魔力ランクと言ったかの?私と同等の権限を与えよう。とは言っても今の私の…だがの」


「魔王と呼ばれてた頃に比べたら弱くなってるってことか。それでも大盤振る舞いだな」


 弱ってるとはいえ元魔王と同等の力で魔力を使えるって事になるわけだから大幅なパワーアップは間違い無いだろう。マヒルとヒイリが強くなるのはとても有難い。



「なぁに、その代わりもう1つ私の要望も呑んで欲しいのだ。お主にとっても悪い話では無いぞ?むしろ望むところだと思う」


 ガイアは俺を見つめて不敵に笑う。


「ほう、内容によるな」


「私を匿ってもらいたいのだ。お主の中にの」


「……ん?」


「私は世界樹の精霊、魔王なぞと呼ばれておるが実際には精霊王と呼ばれるべき存在での。精霊ということは依り代を移せるのだ。お主の中の月兎と同居する形になるの」


「マジか…魔王と契約て…。俺魔物の王になっちゃうのか?」


「んんー…人間が思ってる魔王としての力に魔物の使役があるがの?あれは実際には私の力では無い。私の城におった骸骨の魔物の力だの」


「ああ、あいつか…。通りでシンヤの魔物使いの力が効かなかった訳だ。同種の力を持った魔物だったわけか。…ん?じゃああいつが人間の思い描く魔王だったのか」


「あの骸骨も結局は私の配下だしの、あれを作ったのも私である以上魔王は私で相違無い」


「ふむ…なるほど。で、ガイアと契約すると俺が使える魔法が増えたりするのか?」


「いや?お主は四大元素を持たない。月兎は特殊な例だの」


「魔王も十分特殊だと思うんだけどな?」


「まぁ、私は魔力増幅器だとでも思って欲しい」


「ずいぶんと豪華なブースターだな、軽自動車にスポーツカーのエンジン積んでるようなものじゃねぇか。俺の体持つのか?」


「お主の例えはよく分からんがの、お主の今の体はかなり頑丈じゃぞ?その装備、天使から貰ったものだと思うがの、心を引き金に力を発揮させるものじゃろ?お主の中には多数の心が同居しとる。流石にあの天使も想定外じゃろう。カカカッ」


 ガイアはそう言いながら無邪気に笑う。こうして見てるとただの女の子だな。

 確かに生命の闘衣は生命力を上げる物だ。魔力が十分にある今、俺の体は疲れ知らずになっている。ここにガイアの魔力も乗ったらどうなってしまうのだろうか。



「よし、分かった。契約成立だ」


「じゃあお邪魔するかの」


 ガイアが俺の胸に手を当てるとスーッと音も無く消えていく。魔王を取り込んだにしては随分と呆気ない。




「んー、何が変わったかよく分からないな。ヒイリ、調子はどうだ?ガイアが言うには二人の魔力ランクを上げたらしいんだが」


「いや、もう…僕も何が何だか…、色々有り過ぎていっぱいいっぱいですよ」


「アウラポッドやってみてくれる?」


「あれはただの空調管理魔法ですよ?まぁ、やってみますけど」




 ヒイリが俺に向けて手をかざすと、いつもと違い力強い光を発した。


「わ、わわわ!…えーい!アウラポッド!」


 ヒイリのアウラポッドが俺を包み込む、いつもはエアコン程度の力だけど、…んー?変わらないな。アウラポッドが生むそよ風が心地好い。


「これ、いつもと何が違うんだ?」


「だから言ったじゃないですかー、ただの空調管理魔法ですよー」


「いや、待って…。ふむ、日射しが和らいでるな、これはいつもより快適だ」


「び…微妙ですね…」



 そんな俺とヒイリを見ていたマヒルが近付いてくる。何やら手に石を握っているようだ。


「私の直感が正しければ…」


 そう言いながら投球フォームに移行する。いや、待ってくれ、その石俺に投げる気か?


「直感が外れとったらごめんにゃー!」


 投げた!?思わす身構えるがその石が俺に当たる事は無かった。

 見えない障壁の様な物に阻まれて地面に落ちる。


「お、おお…。ビックリした…。ヒイリのアウラポッドが防壁になったのか?」


「私が投げる石くらいは完全に防げるみてゃーね」


「くらいは…て、戦闘種族の投擲防げるなら銃弾も止まるんじゃねぇのかな。ていうか、直感外れてたら俺死んでたんじゃね?」


「そんなことにゃあよ、急所外したし、万が一当たっても今のアサヒなら大丈夫じゃにゃあかな。…痛いかもだけど」


「マジで?…いや、痛いのは勘弁してほしいんだが?」


「にゃはは」



「ところで、マヒルはどう?何か変化あった?」


「あ、うん。斧がね、めっちゃくちゃ軽いんよ。木の枝でも振ってる気分」


 マヒルはそう言いながら大地の魔術武装である斧を爽快に旋回させる。

 大地の魔力が通っている武装は質量が大幅に増幅されていて、同じく大地の魔力を持った人にしか扱えないほど重い。その代わりその強度と威力は折り紙付きだ。


「にゃはは、これなら全身を大地の魔術武装で固めても走り回れるんじゃにゃあかなぁ」


「それは…頼もしいけど、歩く度に地面凹みそうだなぁ」


「う…」


「まぁ、ほどほどになら。金はたくさんあるしな。装備見に行こう」


「あ、その前に王様には会わにゃあで良いの?」


「良いんだよ、お店に行こう」



 王様の顔を見たら俺の心に住んでる魔物達が暴れそうだ。流石に王殺しは不味い。



今回はパワーアップ回ですね。

次回から戦闘準備に入ります。王様は無視します(笑)

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