伝説の魔物使い6
今回は魔物使いの勇者の最終パーティーについての説明回です。
魔王に会う、元々そのつもりではあったし、仲間の力を借りれば空だって飛べるのだから本当は行こうと思えばすぐ行けたりする。
それでも魔王に会いに行かなかった理由は1つだけ、魔王と争いたくなかった。
シズクと友達になってから魔物を敵だと思えなくなっている。
それなのに魔王は敵だと認識してしまっている、そんな自分に違和感を覚えていた。
アーミャとは魔王を倒すって約束したし、それを破るのは気が引ける。
それでもアーミャだって天使なんだし、魔王に敵対する理由が無くなればきっと寛大に許してくれるはずだ。
魔王の城がある場所は確認済み、飛翔能力に長けたワイバーンで上空から探した。
そしてそこに辿り着くには険しい道のりが続く事になる。
飛べる奴だけ連れて行くわけにはいかないし、こんな大所帯で進むのも難しいだろう、野営地を探し大多数を残していくことにした。
野営はアカボウが居れば問題無いだろう、アカボウは野営地に残していく。リーダー代理としての証に俺の笛をアカボウに渡した。
あまり強くない子達もいるから主力もある程度は野営地に置いていくべきだ。一番俺の身近に居たシズクとシオも残していく事にした。
魔王城に挑むのだ、やはり最終的なメンバーは強い奴から選ぶべきだ。
そこで単純に強い奴から順にストーンゴーレム、レッドドラゴン、ユニコーン、そしてヤテンを指定した。
ストーンゴーレム。名前はイシガキ。
最初は普通の石で出来た2メートルくらいの大きさのゴーレムだったのに今では4メートルはある、しかもやたらと重く地面がへこむ。
魔物使いのスキルも上がり、ステータスの詳細が見れる様になったのだが、イシガキの種族名がレアメタルゴーレムになっていた。
素材、タングステン。切削工具や戦車の装甲に使われる物だ、4メートルの巨体全体がソレとなるともはや常軌を逸している。
移動速度は人間並み、魔物にしては遅いがタングステンの塊が人と同じ速度なのだから十分だろう。大地の魔法により自分自身を駆動させている。
間違いなくうちのパーティー最強、性格は温厚でマイペース。
レッドドラゴン。名前はホムラ。現種族名クリムゾンドラゴン。
こいつは腕が翼に進化したワイバーン種になるのだが生粋のワイバーンに比べたら飛ぶのはそこまで上手くは無い、レッドドラゴンはワイバーンから機動力を引く変わりに火力を足したような性能だと思ってもらえると分かりやすいかもしれない。
更に言えばホムラに至ってはその火力の足され方がえげつない。
深紅の体とは裏腹に青白い炎を吐き出し、本気を出せばイシガキの体にダメージを与える事が出来る程の高温となる。
瞬間的ではあるがその温度は10000℃にも達する。
ドラゴンブレスは魔法に分類されるらしい。
性格は短気で攻撃的。
ユニコーン。名前はオグリ。現種族名スレイプニール。
脚が8本に増えた大きな馬で頭には一本の角が生えている。
機動力が高く、攻守共にバランスも良く、汎用性の高い空気圧の魔法を操り、種族特性で状態異常無効、更にはいつまでも走れる程に体力が無尽蔵。
つまりオールマイティーな何でも屋だ。しかし性格はその真逆でプライドが高く融通が利かない。ちなみに清らかな乙女しか乗せたくないらしく、俺は乗せてもらえない。
…そして何故かヤテンも乗せてもらえない。清らかだとは言い難いらしい。
ホムラの体は高温で火傷してしまうから俺とヤテンはイシガキの肩に乗る事にした。
レヴァナント。名前はヤテン。種族名に変化無し。
体が蘇生される度に巻き戻るから身体の進化はしないらしい。
その代わり魔力はどんどん上昇していった。ヤテンは水の魔法と相性が良いらしく、水を作り出し、造形を操る事が出来る。
精巧な蜃気楼を作り出し相手に自分の位置を錯覚させるのがとても上手い。
役割は主に後方支援、水で盾を作ってくれたりする。あとホムラがやり過ぎた時の火事を消してくれたりしてくれるので運用はホムラとセットになる事が多かった。
性格は静かで穏やか、というよりは感情が薄い気がする。
そして、俺。名前はシンヤ。種族は人間。
身体能力は普通の人間の中の上。戦闘技能無し。
武器や防具の類いも持っていない。防具とか重いだけだし武器なんて振ったことも無い。
ルックスは…自分じゃ分からないが、少なくとも不細工では無いはずだ。
「よし、魔王城攻略、行きますかね」
とは言ってもうちの子達に対抗出来る敵はおらず、怯えて動けない奴までいるからただたんに魔王城まで歩いて進むだけだった。
ロールプレイングゲームだったら最後のマップのはずなのにな、なんて苦笑してしまう。
これアサヒ勝てるんですかね?
さておき、次回は魔王城突入です。
魔王城は大型のモンスターも配置されてるので通路も広く作られているからイシガキもホムラも入れますのでご心配無く!




