彼女の短剣は宙を舞う
「もう少し様子を見てみよう」
戦わなくても大丈夫なら戦いたくないからな。
しばらく見ていると巣から動き始めた。
「向こうに行ったな」
これならしばらくいちご狩りできるかな。他にモンスターがいるかわからないけどある程度なら処理できるだろ。
「後は、待つだけだな」
ここらへんでいちごが多い場所を探しておくか。
しばらく待っていると、アクイレギアが走ってきた。
「ごめん思ったより時間かかっちゃった」
「いいよ、じゃあいちご狩りをしようか」
「うん!」
あと、一応言っておかないと。
「ここらへんに鳥系のモンスターがいるから気をつけろよ」
「はーい」
もうあんなに遠くにいる、やっぱり行動が早いな。
「気をつけろよ」
「わかった!」
10メートルぐらい遠くから返事が帰ってきた。
「俺も取るか」
いい感じのやつだけもらっていこう。
「お兄ちゃん、見てこれだけ取れた」
アクイレギアが両手にいっぱいのいちごを持ってきた。
「おお、よかったな」
「うん」
バッグの中に片付けようとしたとき、油断したタイミングを狙ったかのように鳥が襲ってきた。
「わっ、危ない」
「危な」
二人同時に後ろに飛び下がった。
「あ、いちごが」
片付けきれなかったいちごがいくつか転がって鳥が一つづつ、つまんで食べる。
「あー!」
それに怒ったのか、素早く背後をとり短剣を振り下ろした。
しかし、その鳥は飛んで攻撃を避けた。
「まてー!」
いくら剣を振っても鳥には当たらない。
「今のうちに余ったのを拾っておくか」
アクイレギアが鳥と戦っているうちに、食べられていないいちごを拾う。
「えい!」
鳥に向かって短剣を投げつけた。
「あ」
「やった!当たった」
投げた短剣は見事に胴体に命中し、ゆっくり落ちてきた。
「お兄ちゃん後はお願い」
「え、俺?」
「うん、だって、短剣刺さってるし」
「わかった、適当に風魔法を当ててくる」
近くに行き、構えて
「『ウィンドブレード』っと」
攻撃はうまく当たった。が、
「うおっ!まだそんなに力が残っていたのか」
このまま、高く飛び逃げようとしている。
「お兄ちゃん!せめて、短剣は取り返して」
「わかってる」
普通に攻撃しても落ちないだろうから、
「短剣の柄に当たれ!」
アッパーをしてみた。すると、
「あ、落ちる」
短剣が回転しながら落ちていく。
そして、鳥のモンスターも今の攻撃で倒すことができた。
「よし、いちご狩り再開だ」
ありがとうございました




