スローライフを目指す
いつもより長いかも
「ごめんだって。本当にごめんなさい」
そう言いながら百花が手を合わせて謝っている。
「わかったわかった」
「本当に?」
「だから早く食べて。冷めるし片付けられないし」
そうお皿の上のカレーライスを指差した。
「よかった〜お兄ちゃんの作るご飯お店みたいだもん。食べれないと思うと恐ろしいよ」
そうかそうか、それならよかった。作るときの苦労が報われた。
「それにしても、なんでお兄ちゃんは彼女ができないのかな〜?」
食べながらそんなことを聞いてきた。
「そんなの顔がよくないからだろ。よくて普通の顔で、なんの取り柄もない俺が彼女できるほうがおかしいだろ」
「そうかな〜?顔はまあまあいいと思うけどな〜」
「身内だから少し補正がかかってるんだろ。
そんなことよりどんなプレイングがいいと思う?」
「う〜んお兄ちゃんのしたいことをしたらいいと思うけどな〜。あっ少しご飯が残った」
うまく食べれずにご飯だけ残った皿を見ながらそんなことを言った。
「俺のやりたいことか〜……そうだ農家のようなゆったりとしたことをしよう‼︎」
「いやどうしてそうなったの?スローライフがしたいの?」
食べ終わった皿を置いて歯磨きをしながら言った。
「料理とかそういうことができるかなって思ったり、野菜とか普段食べてるものを育てたいなぁって思ったりしたからかな」
「そっか〜お兄ちゃん料理作るの好きだもんね」
「あぁ」
「じゃあ今日は早く寝ないとね」
「明日は公式リリースだからな」
俺は皿洗いをしながら言った
「うんお兄ちゃんおやすみ」
「おう、おやすみ」
百花は眠そうに言いながら寝室へ向かった。
「さて、やることは終わったし俺も寝ようかな」
その時居間に置いてあったスマホから着信音が流れてきた。
「誰だこんな時間に……巧か」
こんな真夜中になりそうな時間に電話を掛けてきたこいつは、杉山巧だ。
くそモテるのに女の子と付き合うことが珍しいイケメン。多分見た目とのギャップのせい。それと、一応親友。
「もしもし」
「おっでたでた。もう寝てるのかと思ったよ」
「ごめん。そっちは当たったのかな?」
「そりゃそうだろ。じゃないと寝ようとしないだろ」
「そうだね。それにしても運営は何を考えているのかな?」
なんのことだろう?
「何がだよ」
「それは明日学校で話そうかな」
「そうか。おやすみ」
「おやすみなさい」
巧がそういうのを聞いて電話を切った。何が変なんだろう?
「まあいいか」
そう言って俺は自分の寝室へ向かった。
デスゲームにはなりません