道探し
「じゃああっちの方に行ってくる」
「あんまり離れすぎるなよ」
ステータス画面を、そのまま出しっぱなしにできることを思い出して、地図のマークの機能をシーダーのいる場所がすぐわかるように出しておいた。
それを見た感じそこまで広い範囲を探すことは出来なさそうだ。確かに、シーダーが同じ町ならわかりそうだが、縮尺が大きくなるとプレイヤーのいる場所のマークが大雑把になる。
「わかってるよ。ステータスで見ながら移動するよ」
「見つけたら連絡するからな」
「じゃあ、またあとでね」
シーダーはゆっくりとした足取りで草むらの方に向かっていった。
こっちは、未知の木の実と道を探すか。
悲しいなぁ。あんまりおもしろくないことを言ってしまった。
悲しい事故からあんまり立たないうちに、木の実を見つけることができた。
見た目としては、皮は御空色で中から覗く群青色が印象的。大きさはとても小さく、多く集まって割れ目のところが様々な方向に向いている。その様子はまるで小さい子供のよう。
あんまり取ったらなくなってしまうし、今欲しいのは種だから、持てなくならないように十数粒ぐらいを取った。
シーダーと離れすぎている気がする。
ちょっとだけ近づくか。
近づくと、シーダーを示すアイコンが消えた。
急いで消えた場所に向かう。
消えた場所にたどり着いたが何もなかった。
まるでもともと何もなかったようにその場所があった。
消えるようなものはないし、近くにモンスターはいない。
「あいつは、どこに行ったんだ」
周りを探していると、シーダーから通信がきた。
「もしもし、シーダー」
「もしもし、今、扉に入っていったらアイオライトが消えたから電話したよ」
「なんで、扉に入ったんだよ」
「いや、蝶が自分の周りで舞って、誘うように扉に入ったから、つい」
蝶が扉に入るってどうやってなのか気になる。
「まあいいか。気をつけろよ」
「わかった、依頼は完了させておいて、報酬は山分けにしておいてよ」
「了解」
通信が切れた。
あいつは、ほんとになにかの創作の主人公みたいだな。
最後のセリフ以外は。
ゆっくりと道を探すか。
自然を観察して索敵をしながら探していると、敵の数がぱったりと減った。
もしかしてと思い、ちょっと歩くと道に出ることができた。
ついに道に出ることができたのだ。
ありがとうございました




