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智夏の休日(土曜日)、最終弾です。
よろしくお願いいたします。
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家に着くと、智夏はまず
聖域のひとつである冷蔵庫にジュースを入れた。
それから、障害物を避けつつ、
別の聖域である座布団に渡ってそこに座り、
今日と明日の食料が入ったレジ袋を
目の前のテーブルの空きスペースに置いた。
座り込んだ自分の脇にバッグと戦利品を置く。
「疲れた~。」
智夏はたった半日程度の外出で疲れを感じてしまう。
怠けることに慣れて体力が無いせいもあるが、
精神的なものも大きいだろう。
休日の二日間はゆっくり身体を休めないと、
翌週の一週間が乗り切れない気がするのだ。
思い込みであることは間違いないのだが、
他人の分の仕事までこなさないといけないのだから、
体調を崩した状態で仕事をするのはかなり辛い。
座って、しばらくボンヤリした智夏は、
ようやく買ってきた本を取り出した。
そしておもむろに、周りに散乱している、
以前買った本達を探し始めた。
本が好きで、よく買い時々読んでいる彼女は、
シリーズ物の最新刊を読む前に前作を読まないと、
大雑把にしか話を思い出せなくて、
流れについていけなくなることがあるのだ。
幾つかの本の山を崩しながら
お目当ての本を見つけた智夏は、
更に散乱した本はそのままに、
シリーズの前作と最新刊の二冊を持って
ベッドに向かう。
横になって枕元に最新刊を置き、
前作のページを開いた。
いつの間にか眠っていた智夏は、
寝惚けたまま時計を見た。
五時前である。
ゆっくりと起き上がった。
しばらくぼーっとしてから、
着替えを持ってバスルームに向かう。
シャワーを浴びるのだ。
本当はお風呂も好きなのだが、
風呂掃除が面倒で、
よほど気分が乗らないとお風呂にはしない。
シャワーで済ませるのである。
明日は休みで出かける予定もないし、と
簡単にシャワーを済ませる。
洗濯機を回してベッドのところに戻り、
二冊の本を持って座布団に座った。
寝てしまってほとんど読んでいなかった前作を
再度開いて読み始める。
ベッドに行った時とは違って、
その世界にのめり込むのは一瞬だった。
前作を読み終えて時計を見ると七時半過ぎだった。
立ち上がって夜ご飯のお弁当をレンジにかける。
少量のお湯を沸かして
インスタントスープを入れた。
お弁当とインスタントスープを
テーブルに置き、食べ始める。
黙々と食べて食事が済むと、
そのゴミはその辺にあった空いたレジ袋に入れて
口を結び、台所にある大きなゴミ袋の中に
放り込んだ。
座布団に戻って、次は最新刊を手にする。
ページをめくる音だけが響く部屋の
夜は更けていった。
読んでくださって
ありがとうございました。




