人の希望 私は誰?
今回でこの作品は終わりになります。
協力してくださったクグツカイライ様に感謝を込めて。
シロは自らをcount0と言った。
「いいよ!!もっともっと俺を楽しませてよ!!」
シロの右足、左足、右腕、左腕、また右足、と順序よく飛んで来る。
それを私は必死で避ける。
「そろそろ本気出そっか。一石二鳥って知ってる?一つの石で2羽の鳥が殺せる。そう言うことだよ。」
「私の友達がね、すごくいいものを作ってるの。あなたたちを殺すことの出来るウイルス。人類を守れるウイルス。それを私の友達がばらまけばあなたたちは死ぬ。」
「だ~か~ら~!それって理不尽じゃん!!なんで?なんで俺達が死ななきゃ行けねぇの?は?ふざけんじゃねぇ!俺達はてめぇらの言うとおりにしてるのに、誰も褒めてくれねぇ。誰も友達になってくれねぇ。生まれてきた意味がわかんなくなっちまう。なんで、殺すんだったら最初から戦争でもして消えていけばいいのに!」
「あなたの言いたいことはわかる。でもね、それでも私はあなたに感謝する。」
「は?」
シロの攻撃が途切れる。
「だって、あなたたちが生まれてくれたから私たちは生まれることができた。ありがとう。」
「ふざけんじゃねぇ!!なにがありがとう、だ!いい加減にしろ!」
シロはcount0の残害をもって迫ってきた。
私はシロを、彼を受け止める。
腹部に熱いものを感じるが、今は彼を受け止めることに専念した。
「ありがとう。生まれてきてくれて。」
「ありがとう。人類のためにがんばってくれて。」
「ありがとう。私たちを生ませてくれて。」
「ありがとう。大切な人を教えてくれて。」
僕にはたくさんのありがとうがあるの?
「もちろん。みんなが違っても私はあなたにありがとうを贈る。」
僕は、どうすればよかったの?どうしたらもっとありがとうがもらえたの?
「どうもしなくていいよ。このまま、私と一緒にいよう。」
うん。ありがとう。
抱き締めた少年はただ小さく声を出さずに、泣くだけだった。
「ありがとう。」
そして気がつくと辺り一面に白い粉が舞っていた。
「見て。雪だ。君と同じ色だよ。」
その正体を、私は知っていた。
だからこうして彼を抱き締めていた。
「さっき話したウイルスさ、実を言うと人も死ぬんだ。ヒトしか残れない。」
「そんな。それなら君が守った人類は、どうなるの?」
「もう必要ないよ。だって、私の友達を苦しめた人達だもん。」
「体が、、、。痺れてきた。」
「あと、少し。できた。」
「何をしたの?」
「あなたの感情データと記憶をhumancountにアップデートした。これで君は死んだらhumancountだよ。」
「クロは?クロはどうするの?」
「私も、死んだらhumancountに戻るだけ。」
「そっか。それなら、またいつか会えるよね。」
「うん。またいつか。」
少年と少女は笑ったまま、静かに眠りについた。
最後まで読んでいただいたのであれば有難うございます。
松川φ(゜゜)ノ゜&クグツカイライでした。