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だらちーとと残念異世界  作者: ちょもらん
ガルド領・教会編
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12日目 犯人です

 バーク家の屋敷には気配を消して侵入した。ここの所、侵入スキルばかり上がっていっているようで複雑な気持ちになる。機械さんの送受信がなされていた部屋に真っ直ぐと言うか一瞬で移動し、辺りを窺う。そこにはブツブツと呟く男の後ろ姿が見えた。

 相手には認識されないので近付くと黒い箱のような物を抱いている。座標からしてこの箱と男が怪しい。それを抜いても怪しい。ちょっと触れちゃいけない世界を感じながら両方さらっと鑑定させてもらった。


 練習用死霊術機。死霊術の習得のために使用する。死人ではなく生きた人間を使い、その人間の魔力を元に基礎的な操作を学ぶ。

 コンスタンティン・ルドルフ・バーク。


 機械の名前はアランのログと一致する。機能からしてこのコンスタンティンが犯人と見て間違い無さそうだ。この機械とコンスタンティンを持ち帰るか消失させれば終わりではあるが、今までの流れでこの上にも誰かいないかも精査しなければ安心できない。だいぶこなれてきた脳内侵入をして一通りこの男を知っておこう。




 コンスタンティン・ルドルフ・バークはバーク家次男に生まれ、十四の頃に魔法使いの才能を開花する。遅咲きの彼は既に貴族として中央の文官見習いをするために家を出ており、バーク家は長男の家になっていた。まだ若ければ魔法使いの師匠探しも実家に頼れたかもしれないが、甥が生まれた状況で家を出たコンスタンティンにかけられる予算はない。教会入りするにもなるべくマシな環境をと奔走し、中央教会の大司教の養子の座を勝ち取った。これがアランのガルド行きに繋がるコンスタンティンサイドの事情である。

 コンスタンティンは文官経験もあったため、幼い司祭見習いよりも出世に対してアドバンテージがあり目立つ存在だった。それが原因なのか魔法を焼き切られてしまう。アランの実家とバーク家が揉めた原因はコンスタンティン可愛さではなく、仕事も魔法もない彼が実家に帰ってきたことに対する八つ当たりというものだった。もっとアランが中央教会に執着していれば家にはお荷物がなかったのに、という言い分である。

 コンスタンティンはこの件から兄の小言を聞きながら過ごす実家生活になり、バーク家の中で孤立した。居場所がなかった彼は教会で学んだ魔道具であればなんとか仕事につけるかと元養父に質問や許可を貰いながら活動し始める。元養父である大司教は半年程度の親子関係しかなかったが良好な仲だったようで死後、遺産として魔道具の本をコンスタンティンに送っていた。どうやらそこに闇の技術に関するレポートも存在したようだ。

 大した額ではないが稼げるようになったコンスタンティンは三十を過ぎた頃、結婚をしたい相手ができる。貴族らしい生活を送ることは無理だが許してほしいと兄に言えば、我が家の恥に血を残す権利はないと相手の実家にまで脅しをかけた。隠れるように生きていくコンスタンティンは流石にもう我慢の限界に達したらしく、バーク家の生殖機能を奪い唯一の血の後継となる計画を立てる。この辺から思考もだいぶ狂っていた。

 魔道具を作れるコンスタンティンは事を成すのに闇の技術に手をだしアランの乗っ取りからバーク家の悲劇まで成し遂げている。それがこの機械のようだ。レポートから道具を作れた話から闇の技術の流出はこれのみではすまないかもしれない。

 唯一の血の後継としておどりでる予定だったコンスタンティンだが兄たちはコンスタンティンを認めようとはせず、妊娠がわかった彼の恋人を中級貴族の妾にまでしようとしていた。恋人は乗っ取ったアランのコネでルマンドまで逃がしている。ルマンド子爵夫人とコンスタンティンの子がイアンというのが確定した。

その後恋人が嫁いだためにまた一人になっていたコンスタンティンだったが息子が魔法使いの才能を開花したことにより夢を持つ。自分がなし得なかった教会での出世や、ほぼ自分と同一視しはじめているアランの財産を息子に、と。それによりイアンはコンスタンティンの画策によりガルド大教会にきたようだ。加えてレイナードに対する恨みは父親としての恨みであっていた。

 恨みの矛先が実家とレイナードになったコンスタンティンはアランを動かした暗躍を行いレイナードを呪う。どうやらバーク家の人間も同様の呪いがなされている様だが外には漏れていない。他の魔道具同様、魔石を使っているものらしく、アランの資金が流れていた。最近の精神状態を見るに自分とアランを同一人物だと思い、ガルド大教会に追いやったバーク家をポーズではなく本気で怒りを燃やしている節もある。

 呪いの詳細も読み取るとレイナードにしている呪いは大教会の聖域の結界を改造しており、バーク家の呪いはアデン大教会の結界に仕込んでいるようだ。機械の原理はわからないが、呪いの原因はわかる。ようはあの石柱を壊せば良い。




 大体の事情はわかったのでコンスタンティンを強制的に眠らせて担ぐ。機械も魔道具の本もアイテムボックスに放り込み、カルアの隠れ家に帰った。また帰ってきた私に領主の部下たちがやってくるがまだ仕事がある。「これアランの中身です」と渡して、ガルド大教会にとんだ。

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