表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
だらちーとと残念異世界  作者: ちょもらん
ガルド領・教会編
51/246

8日目 おさかな△

 家に帰ってもメヌールはいないし、パン焼き場に行くのもいきなり御飯タカリで感じが悪い。残っているやることと言えば三体目ゾンビの捜索なのだが、長丁場になった場合メヌールとすれ違いになって部隊長にダークエルフを見せるのがまたずれ込みかねない。ささっとできることはないかと考えた結果、魚でも採りに行くかと川を目指して転移した。よく考えると最初の何かの肉も熟成管理をしていないので保存食がないのである。量を作れればパンも物々交換という形になるだろうしかなり良い仕事ではないだろうか。

 二体目遭遇から川に探索に行ったらしいのでまずは昨日の発生源に跳ぶ。マップを展開するとそんなに距離なく川があるようだった。光汚染を撒き散らしながら歩いて川まで移動する。山が近いせいか細くて早い川だ。

 初日に獣の皮を収納したように、アイテムボックスに魚を何キロとイメージして突っ込む。一度陸地で出し、そこから内臓だけすぽぽぽぽんと取り出して適当な穴に廃棄。あんまりにも楽な作業なので八十キロ弱を手に入れた。干物にしようと思っていたが川魚だし塩焼きが良いかもしれない。塩をまぶして火力調整をしてこんがり焼く。なかなかの量のお土産ができたのでご機嫌で帰る。


「ハラーコ、外に出たときは玄関から帰ってくれんかの?」


 転移で居間にでると私を待っていたらしいメヌールと部隊長、副部隊長がお茶を飲みながら固まっている。これは悪いことをした。


「あー、すみません。ちょっと川まで魚採りに行ってました。あと部隊長さんははじめまして?」


 あとに出すと食べられないかもしれないのでお皿を配りほいほいと焼き魚を出す。


「どこから出したのだ?」


「というより川は汚染されているかもという話だったのでは?」


「その辺はハラーコだからと流してくれんかね……」


 そういえばメヌールくらいしかアイテムボックス魔法を知らなかった。一応火を通したが川の汚染は確かに気になるなと皿の上に重度レベルの光汚染を振りかける。


「光に祝福された魚……」


 何かを呟いたメヌールが人差し指で目の側をとんとんと示す。鑑定しろってことですね。


 光に祝福されたメサ、強い光の祝福により闇の汚染を少量分解する。


 ん? ということは光汚染というか祝福を光の素養がある食べ物にかけまくれば闇汚染の特効薬になるということなのだろうか。

 目の前の魚に重ねがけをしてみる。


 最上級光に祝福されたメサ、強い光の祝福により闇の汚染を完全に分解する。


「何をやってるんじゃ……」


「メヌールじいさん、闇汚染の特効薬完成ですよ!」


「本当にか? おおっ! これを配れば寄生虫は駆逐できるではないか!? 麦にかけるのじゃ! 六村の貯蔵庫で全てにかけるのじゃ!」


「麦にも祝福できるかは試してみないとです。ほら寄生虫とかエルフみたいに祝福ではなく汚染になる可能性があるでしょう」


 私とメヌールは大興奮である。またローラー作戦をしなくても良くて、次の麦を食べるまでは村人から汚染ならびにゾンビがでないですむかもしれないのだ。


「どういうことですか?」


 この興奮についてこれない二名は怒濤の説明を聞くはめになる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ