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28日目 精霊神殿崩壊

 精霊神殿は世紀末大戦だか妖怪大戦争だかが始まっていた。内部に転移しても破壊が始まっていたら危ないよなと港に転移したが大正解。こう、神聖そうな厳かそうな建築物の天辺は消えているし、全体的に白い砂埃か煙がもくもく上がっている。


「彼らは目的わかってるのでしょうか」


「少なくともこの騒動でも妖精は死なないのでしょうね。ヒューマンの奴隷とダークエルフ関連は忘れていると思いますが」


 ヨシミとムツミが何やら話しているが、それだと地下だった奴隷房がヤバい。顔色の悪いメヌールの手を掴み奴隷脱出を優先するために転移する。


「私とメヌールじいさんはヒューマン助けにいくからダークエルフ関連よろしく!」


 ルーナシスターズの目的はいまいちわからないままだがマトモな人材がいないので仕方がない。返事を待たずにお子ちゃま精霊に案内された奴隷房の前にでた。

 奴隷房までは幸いなことに破壊は進んでいない。ただ天井が軋み定期的に埃か天井の一部がまいとびヒューマンの子どもの髪の毛を白く染めはじめている。


 どこに逃がすか。そりゃもうヒューマンがいる場所しかない。目に入ったヒューマンを目視と同時に位置計算して旧ホラ村、現在ガルド北の軍事基地村にガンガン飛ばしていく。流石に大量に現れても子ども相手だし、あそこは転移経験者が多いはず。内戦真っ只中のガルド領都も付近の森村も大混乱のアデン大教会も無理なのだから消去法で仕方がなかった。


「ハラーコ、看守を捕まえたぞ。大人の位置を読み取るのじゃ!」


 メヌールじいさんから伸びたエルフを投げつけられる。オーケー、大人用の房と実験場を読み取ってやろう。軽く風を操りキャッチして情報の吸出しを行った。

 大人用の房は地上階、実験場は別棟……新生児室が二階。


「じいさん、新生児室がある。大人用の房と実験場も違うし間に合わない」


 歯を食い縛るメヌールが近付いてくる。


「一番近いのはどれじゃ? 君がくるまで防御用のバリアを張る。フタエたちも転移させて時間を稼がせよう。転移ができる君は遠いところから順に救出してくるのじゃ」


 確かに妖精の欠片であるフタエ達なら大丈夫かもしれないがメヌールは脱ヒューマンしただけの人間だ。とてもじゃないが行かせられない。


「今、フタエとヨシミに頼んで飛ばしました。じいさんは代わりにダークエルフ関連をイツコとムツミと」


「そうじゃな。私は無力じゃ。守られながらできる仕事をしよう」


 無理して笑う諦めたようなメヌールは気になるが時間が惜しい。メヌールを転移させて実験場へと単身転移した。


 実験場はなんというか正に実験場である。人工受精なんて知識がないのだろうからハイラルにしたようにヒューマンのバランスをわざと狂わされた生き物がひたすら交配実験をするためだけに生かされている。とりあえずこの世のものとは思えない元人間の吹きだまりなのだ。ちゃんと人間だったのも被害者なのもわかっているが入ってくる情報が気持ち悪くさせてしまう。

 既にエルフは逃げ出しているから助けてしまえばいいのだが、子どもと違って新型魔獣にしか見えない彼らを送る先がない。治療でどこまで回復するのかはわからないが、奴隷売買だけでなく禁止された実験を神殿が行っていた証拠でもある。どこにどう保護すればいいのか。

 運びようがないのでバリアを貼って待機してもらうしかない。下手に飛ばした先で殺されても困るから。


 結局、生体実験中のヒューマンは待機、ヒューマンの形をしている人はガルドへと送り、ダークエルフ資料はひたすらアイテムボックスに注ぐように突っ込みと回収作業だけに従事した。それだけを終らせるのに数時間かかり、気づけば神殿は瓦礫の山となって妖精たちが嬉しそうに空っぽ妖精を胴上げ?して帰っていく。

 私たちも必死の作業だったもので、そんな妖精たちを見て撤収することにした。ファルシーラアリア本島に乗り込んだ妖精のことは誰も思い出していないふりをしながら妖精島に行く転移に混ぜてもらう。

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