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だらちーとと残念異世界  作者: ちょもらん
吟遊詩人編
202/246

25日目 会議

 相変わらず前口上は抜きにしてホラ村の確認から話は入った。既に魔信を復活させた領主サイドは教会関係が旧ホラ村、現軍事施設にゾンビの内偵が向かったことを掴んでいる。

 教会にレジーナがついたことで後継者争いをしていた大司教候補たちが仕事を始めてくれたらしい。本人たちが魅了にかかったのか政治力で圧したのかはわからないがはっきり領都でも大教会発表があり、類似例もあれば教会に通報せよとのことだ。ばか正直に通報されるとは思わないが、これによりガルドにおける教会の機能不全の終わりがみえはじめている。

 レジーナはある意味イレギュラー能力者でもあるが、当初のシナリオへ修正するキーマンとして大事な役目を手に入れた。今後は大教会の立て直しをして、ゆくゆくは予定通りガルドと魔法関連をかけて対立するだろう。ガルドが魔法技術である魔信を乗っ取っているのでレジーナの努力が内戦開始までの期限としてはっきりした。立て直しが終わるまで助力することで被害軽減を稼ぐ路線が領都の官僚たちで決定となる。


 続いてレイが確認した森村の報告がなされた。領都周辺は残る森はほぼなかったため、巨大な森ができたことで物資供給の拠点としてかなり価値が高まる。内戦に向けて暫くは森から資源を採取貯蓄するために追加で倉庫と警備が配置されることになった。ちゃんと村人は取り残されずに引っ越せており、引き続き職安出張所を使うなども決められる。


 そしてアラリア方面の密偵からの報告が魔信復活により怒濤の如く入ってきた。完全に崩壊をしてしまい政治どころか店ひとつの経済活動もままならない。冬を越す前にガルドへと亡命し始めた流民が政府、反政府問わず徴兵といって捕縛されている。反政府軍は以前からあったが、政府軍までそのような動きになったのはここ最近。発表はないが政府軍の権力者が変わったのではないかという。証拠のように今まで亡命依頼がなかったアラリア王室のお姫様たちが縁戚の領主に保護をという打診もきたそうだ。

 アラリアでの報告は政治や戦況だけではなくて、思想や宗教にも絡む。

 今やどちらの軍に捕まっても徴兵されることからラッドがそうだったように反政府軍の方針がヒューマン以外は国外追放らしいとの噂がある。ヒューマン以外は反政府よりに進路をとり、ヒューマンは別種族がどんな形にせよ地獄から抜け出せるということで妬みはじめ、ヒューマン史上主義が爆発的に高まっていた。この現象により対立している両軍ははからずとも思想が統一されてきている。




 そんな山盛りの領内会議に何故か参加している私。お役目としては引越しとアラリアの追跡の継続しかないので場違い感が半端なかった。そして最後の報告者が立ち上がる。


「魔信分析班からです。王都大教会から領都大教会への魔信傍受で気になるものがあります。

 ガルドを含むアデン全域から紛失した魔獣の宝玉が追加され現在五つになりました。内一つアデン大教会のディラン司祭、カイゼル司祭が確保したのですが、そのディラン司祭が正体不明の化物、ハンナに誘拐されたとの緊急連絡がありました」


 じとりと会議参加者が纏めて視線を向けてくる。ディラン、昇進してたんだ。ではなくてだな。


「ハラーコ嬢、確か君は王都大教会でハンナを名乗ってなかったか?」


 領主が代表して自白を促してきた。隣のレイが言わなきゃ言うよといっている気がしてくる。私はおずおずと連れてきたディランの透明化を解除して、領都東村で魔獣の宝玉と遭遇していることや腕輪目当てに拉致したことを吐かされたのだった。

 ガルドに発生した魔獣の宝玉。終わるはずだった会議の延長が決定する。

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