表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
だらちーとと残念異世界  作者: ちょもらん
吟遊詩人編
196/246

25日目 RTA引越しと消失

 今日はハードスケジュールである。

 朝日が登るのに合わせて叩き起こされ、奴隷商監視グループのダークエルフ、パトリックだけを回収。パトリックにハイラルの幻影、サンドラに私のアデン人幻影がついた所でメヌールと合わせて三人を見送り、私はホラ村へとぶ。

 領都周辺と違いまだ日の出待ちのホラ村でレイとニュー軍人トップのなんとかさんと合流して最終確認。村のスキャニングはとうに終わっているので二人を連れて引っ越し予定地にまた転移した。


 予定地は草原すらない土だけの大地である。ここで領都から来たまた名前を覚える気が起きない担当者に案内されてペースト予定地用の枠組み、木の杭を確認してその内側に村の建物を張り付けた。


「嘘みたいな魔法だよね」


「これに加えて森がつくんですよね!」


 見学者はコピペを理解してくれていないので大盛り上がりだがサクサク進めてほしい。今日は本当に時間がないんだから!


「時間がないので森もこのまま作りますよ。過不足あれば後日聞くので今日は巻き巻きで!」


 巻き巻きが通じず余計な時間がまた増えた。なんでだ。


 とりあえず焦って突貫で建物と森ができたので次は人の移動である。ホラ村から新しくできた森村に村人を移して、今は見学者の軍人さんを軍事施設旧ホラ村へご案内だ。ホラ村の広場には既に人が集まった時間だろうと言われたので軍人さんには固まってもらい、あっちとこっちを入れ換える。

 途端目の前の軍人さん達は消え失せて、見慣れたホラ村人員が現れた。


「ハラーコ様!」


「おおカイト。いらっしゃい。ここが新しい森村だよ」


 村長がやらかしたりがあるのでカイトだけが飛び出してくれた。他は軍人恐怖症になっているのかもしれない。


 「とりあえずレイさん、夜に迎えに来ますから人員と施設チェックお願いします。カイト、悪いけど私超絶忙しくて。時間できたらまた来るから」


 再会したばかりで悪いが朝はタイムアタックなので許してほしい。引っ越したばかりの村に雑事は山ほどあるはずだけれど手伝うこともできず、今度は単身王領に転移。後ろ髪を引かれながらも前回魔力の糸をとっつけたディラン達、魔法使い狩りを襲う。


 サンドラの考えた最速妖精捕縛計画はこうだ。まず捕縛用の腕輪を持つ魔法使い狩りを確保して寝てもらう。次に妖精がいそうな場所である村に入るサンドラ達、私がメヌールと二度入れ替わって腕輪を手にしたパーティ状態にする。私が腕輪に触れないので仕方がない。アイテムボックスに入れても大丈夫なのかは実験する時間がなかったので、面倒だがこれで武器を配備した三人が私ができない捕縛をしてくれるのだ。

 常時念話で繋ぎ、あちらの捕縛が終わるまでに今度は私がレジーナ横の妖精を黙視して置いて、向こうが終わり次第転移で呼び出し。こうして最低二体の妖精を捕まえる。イレギュラーやトラブル時には念話で報告、最悪撤退のやっつけ仕事。不安はあるが今にしろ未来にしろ私には妖精を捕まえることは無理なので、やってくれる人員がやる気のある今しかない。


 そんなわけでディラン達、魔法使い狩りを三人ほど発見したので後ろから魔力をぶつけて防御札をぶっ飛ばす。前回の聴取で一人十枚近く所持しているのを把握しているし、私が光学迷彩状態だと魔力関知でも認識できないと暗示をかけていたのであっさりディランは昏睡した。残る二人は前回招待していない面子だったせいかバリバリ魔力関知でこちらを睨む。


「何者だ!」


「魔法使いか? 魔獣の宝玉か?」


 腕輪は非接触でもコピー可能と知っているのでこの二人には悪いが眠るディランだけ抱えてお暇させてもらおう。


「神敵ハンナですよ」


 王都教会怪談話に新たな一頁を刻んだ所で、妖精が把握できているか微妙なアラリアに逃げた。うん、誰もいない。

 腕輪を三つに増産してやっとメヌール達に連絡だ。


『三人さん、腕輪確保しました。そっちは大丈夫ですか?』


『魔力関知では引っ掛からない。入れかえに問題ないぞ』


『それじゃあメヌールじいさんと入れ替わります』


 眠るディランの横でメヌールの幻影を被り、本物と私は今朝の村人のように入れ替わる。


『ハラーコ、無事ついたぞ。この青年の上にある腕輪じゃな?』


 そしてメヌールとの念話が切れた。元々粗い計画だったが何が起きたのか。いきなり私たちの計画は頓挫した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ