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だらちーとと残念異世界  作者: ちょもらん
吟遊詩人編
180/246

23日目 解析しよう

 レジーナの魅了魔法を受けてもパリンパリン壊れない魔道具。面倒な魔法開発であるが、ザカリアスに限らずこれからのガルドでは最も重要な魔法だといえる。魔獣の宝玉の欠片の出方次第では大陸全体に関わるかもしれないがなんせ今から夜までの作成。

 誰も来ないであろう国境山脈の川辺で念願の一人焼肉をしながら魔法について考えていた。




 魔法は万能物質的な魔力を体外に押し出して現象を起こす行為だ。単純に魔力を炎に変えて出すよりも、小さな種火と酸素に変換した方がコストが下がり、種火と水素に変換した方が威力が上がる。そんな感じで魔法がある世界だが名前は違えど確かに科学は存在するし、どれだけそれを知って回路を作れるかで魔法は進化してきている。

 何がいいたいかというと、レジーナの魔法に耐性(レジスト)をつけるにはレジーナの魔法の原理を知るべきだという話だ。破壊や阻害に作成ほど知識は要らないまでも、限られた魔力しかこめられない魔道具でそれを止めるには一般的な防御装置のように魔力を絶ったり間に壁を入れるのではなくて的確な弱点に入るべきである。

 そんな流れで魅了発動時のレジーナの記憶を何度も再生して観察していた。参考資料は真正面から魔力対抗する私ではなく、対魔法使いモードで目に魔力を込めて分析していたメヌール視点だ。


 魔力を可視化するという行為は今までしたことがない。メヌールは次の魔法発動を把握するためにレジーナに相対してから常に可視化していた。


 レジーナの全身からぶわっと風呂上がりの蒸気のように白色の魔力が沸き上がり、一秒程で杖に収縮する。狙いは頭で細い弱々しい魔力の糸、メヌールはそれを雷チックな魔法で叩き落とした。

 別の場面で見てみる。縛り上げられたレジーナはやはりぶわっと全身から出した白の魔力を私とハイラルに送る。同じように細い魔力だが、目から出ていた。シュールだ。その魔力は私に触れる前に私を覆う白い薄皮がぶつかり弾き消える。私の膜は薄くなりながら穴を埋めた。ハイラルも同様である。違いといえば弾いた瞬間穴から私の場合は黒いガスが吹き出し、ハイラルは白い煙草の煙一吹き程度がちろっと溢れたことだろうが、防御魔道具の内側の人の差だろう。


 以上のことからわかること。魅了は範囲系の魔法ではなく、個人に対して行う。魅了は頭を狙うことから脳制御の鈍感ちゃん系列の魔法である。細いがそこそこ威力があり、結構高価なレベルの魔石を壊すことからコストより威力重視である。しかし何回もチャレンジ可能な程度の魔力である。




 さて、魔法なんて謎現象を起こせる世界。地球と比較して進んでいる科学、遅れている科学があるのでもしかしたら知識がないだけかもしれないけれども、少なくとも脳に影響を与えるのは微弱の電気信号だろう。他に方法があるのかもしれないが、最終的に電気信号に変換しなければならないはずだ。そうなってくると


「避雷針? あるいは静電気除去? ジャミングもかな?」


 相手は電気であると考えればなんとかなりそうな気がしてきた。早速色々記憶から掘り起こして実験してみよう。

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