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だらちーとと残念異世界  作者: ちょもらん
吟遊詩人編
163/246

21日目 謎だけ増えた

 女性の話は謎を増やすものだった。ヒントが増えすぎて迷宮にはまるような感じ。長い話を要約すると、元お仲間っぽい。

 彼女が目覚めたと自覚したのは内戦中で有名な北の国だったそうだ。頭の中にはアデン大陸で暮らすありとあらゆる女性の記憶があり、自分が何者かわからない。帰りようも生きようもない彼女は生活の基盤を築くために大陸で最大のアデン国に密入国する。私と違い大陸人の記憶があるので小さな村の教会で治療と救済を求めた。そこで魔法使いの資質を見いだされて大教会を紹介されレジーナと出会う。その後、色々あって自分が魔獣の宝玉と気付いた彼女は自らを砕いた。


『ん? 砕いたのにあなたはここにいると?』


『はい。気付けば七つの欠片の一つである私はここにいて、残りの六つも魔力は落ちましたが性格の違う私になり、大陸中に散っていきました』


 宝玉を砕くと分裂するらしい。アメーバ的な生き物なのだろうか。

 彼女の話には続きがあった。分裂した七人の彼女は性格も極端に別れて、邪悪な奴が一人いる。教会に残る一人を決めるときにさっさと譲った後行方を眩ましたそうだ。その後、レジーナの様子がおかしくなり、六人は協力して邪悪な欠片が原因ではと探している。他の宝玉に会ったこともないので不思議な魔法が使える容疑者はそれしかいなかったようだ。


『なるほど。それで私がそいつかもしれないと警戒していたと』


『あなたが私と同じ欠片ではないのは先程確信しました。それで気付いたんです。私以外の宝玉も意思を持っているのではないかと』


 アデン大陸でも教会上層部を除けばお伽噺の宝玉様だ。日本人ではなく、現地人の記憶があればそうなるのも頷ける。




 彼女の正体がわかったわけだが、魔獣の宝玉の謎に情報が増えただけだ。肝心の監視の切り上げと天恵の謎が全く手付かずである。


『宝玉についてはまた時間とって話したいんだけど、今はレジーナの天恵について知りたいんだよね。彼女、神の声って信じてるから』


『天恵?』


 レジーナは仲間に天恵があることを話してなかったもよう。欠片の人に説明すると心まで覗いていなくて、知らなかったみたい。彼女の探している性悪の欠片に繋がるかも知れないということで協力関係を結ぶことになった。


『レジーナが祈りに入ったら念話します』


 信じていいのか微妙なのだが、あっさり仲間ができた私は神官達を再起動させて馬車に戻ることにした。

 考えること増えすぎだわ。私、分裂するの?

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