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だらちーとと残念異世界  作者: ちょもらん
吟遊詩人編
162/246

21日目 もしかして:近道

 馬車内にいるメヌールとハイラルに睡眠をかける。御者をしている商人は気付かずモフ馬を走らせていた。眠る私の幻を置いて、撃墜した鳥の場所に転移する。杖を構えた神官様御一行がこちらを見上げていた。


「お前が監視していたのか? やはり信用できない。」


 前回と同じ台詞回しに魅了が飛んでくる。戦うよりもまず魅了ってあたりがゾンビ増殖のイメージに近くて気持ち悪い。


「洗脳して派閥を作る方が信用ならないと思いますよ」



「宣教が効かない! 異端者を殺せ!」


 文脈的に魅了を宣教なんて呼んでいるようだ。とことん気持ち悪いな! 宗教どっぷりが生理的嫌悪感満載になるのは日本人な記憶が強いからだろうか。


 前回と同様、彼らのアクセサリーを弾けさせることから始める。向さんの攻撃は私に達する前に全部障壁で弾いた。


「化け物め!」


 君らも大概化け物だと心の中で呟きながら体の自由を奪う。拘束系でなく神経伝達を切る形だ。恐らくとっさに治療と脱出はできないだろう。




 全員まとめて転がした所でどうしたものかと再度考えていた。幾ら記憶を消した所で私を警戒しすぎている。私を神官と刷り込んでも微妙なので本当に扱いに困った。中途半端に領主の駒として使い勝手があるので非人道的なことも不可能。監視を見つけた手段を潰してやり直ししかないのだろうか。

 首から下が動かないレジーナをチラリと見る。まだ睨んでるしたまに魅了が飛んでくる。ガッツあるよなぁ。


「ねぇ、レジーナさん。私さ、天恵について知りたいだけであなたを邪魔する気はないんだよ」


「悪魔の言葉には耳は貸さない」


 ぶれないなぁ。


「今、あなた達はピンチなわけだけれど神に祈る気にならない?」


「神は常にいらっしゃる」


 本当にぶれない。

 途方にくれながら似たような問答を繰り返したり、半自動演奏のように肉体だけ祈りのポーズをとらせたり、短時間洗脳で祈らせてみたが天恵は降りてこない。オカルトとかスピリチュアルな感じではなく人が裏にいると思って頑張ってみたのだがますます天恵がよくわからない。


「これ、まじもんの神様なら魔獣の宝玉は敵対者ってこと?」


 前半がかなり気に食わないのかレジーナの睨みに磨きがかかった。ごめんよ、狂信者。

 レジーナは睨んだが、ポロリと溢した一言に若い女性が反応する。


「何か知ってるの?」


 彼女はレジーナと川辺にいた神官だ。目を反らされたのが怪しすぎる。


「話さないなら無理矢理暴くよ」


 既にレジーナを短期操縦していたのでびくりと頭だけ飛び上がった女性がこちらを向いた。


「もし、もし私の推測が正しいのならあなたと念話すべきかもしれない。繋いで貰えますか?」


 女性から謎の提案を受けた。罠かもしれないが、何もしないよりマシだろう。私は彼女と二人で話を始めることにした。




『これでいい?』


『間違っていたらすみません。あなたは魔獣の宝玉に関する何かではないですか?』


『質問に答えるより情報が欲しいな』


『違うのならば渡せないとも言えないですよね』


『うん』


『私は魔獣の宝玉の欠片です』


 うん?

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