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だらちーとと残念異世界  作者: ちょもらん
吟遊詩人編
159/246

20日目 vsレジーナ

「領主様の方は受け入れ了承してくれました。さて、我々はどうしましょうか」


 心の疲労で座り込んでいたメヌールとハイラルは連絡が終わったと聞き戻ってきたようだ。すまんかったなと言うメヌールを気遣い、入れ換えの終わった荷物をハイラルが代わりに持ち、私は鍋に水をはってキャンプに帰る。

 キャンプ地には神官の他にも徴税関連のテントがあった。少しの戦闘や話し合いの間にテントも増えており、野営スペース一杯に沢山の三角が犇めいている。


「これじゃ場所わからないね」


「ああ、だからテントスペースに指定があったんじゃよ。あっちじゃ。徴税シーズンは役人が煩いからなるべく小さく固まらねばならん」


 少し持ち直したメヌールにより無事クアトロさんちのキャンプに辿り着く。まだテントを立てていない私たちは老人、女、少年という三人なので気を使って手伝ってくれた。魔法なしに立てる自信がなかったので助かる。気が重そうなメヌールは馬車酔いしたことにしてそのテントに押し込み、ハイラルとクアトロさんちのご飯作りに参加することにした。


「すみません。火をお渡しするので少しよろしいかな」


 先程別れたレジーナがやってきた。もう鈍感ちゃんが解けたのかとビビりながら付いていくと申し訳なさそうにお願いされる。


「ベリルたちを見ませんでしたか? キャンプにいないのです」


 ああ、拘束してオネンネして貰ったままでした。レジーナの手を掴んで転移で連れていく。


「ベリル! サイモン!」


「寝ているだけです。起こしますから」


 簀巻きトリオに駆け寄るレジーナはお怒りのまま振り返った。


「メヌール司祭とガルド領主様は信用したいと思います。ですが、あなたは何者なのですか?」


 納得の行く答えをレジーナの中から引っ張り出そうとさとりんをかける。


 パリン


「やはりあなたは信用できない」


 魔法が弾かれたらしい。どうやらソロの私とレジーナは第二ラウンドが必要そうだ。メヌールには悪いがもう少し暴いても良いよね?


「私もあなたが信用できない。お互いしらなすぎでしょう?」


 目はそのままお互いを見つめて杖を構えあう。私の物はただの棒だが格好だけは同等だ。


「そうですね。他国のものといいましたがアラムウェリオ神の信徒ではないのでしょう? そのようなものが魔獣の宝玉に近づく。警戒せぬわけないですよ」


パリンパリンパリン


 耳飾が吹っ飛んだ。さっき言っていた魅了なのだろうか。精神攻撃戦ならこちらもやってやる。


「神官の方には信じられないのでしょうが現在地にそんなものがあればナントカしたくなるのは宗教とは関係ないですよ」


パリンパリン


 レジーナから防御系のアクセサリーが壊れる音がする。それでも彼女はひるまない。記憶を消されると言っても強気だった。何かがある。一気に魔力をこめる。


パリンパリンパリン


「邪神を信ずる野蛮人かも知れないのに?」


 もう会話はいらないな。会話させることが目的としか思えないのだ。壊す。強く強くレジーナの中を支配してしまうように。読み取る為に強く。


 沢山のアクセサリーが壊れる音の後、とうとうレジーナの脳内に侵入した。睡眠をかけて見下ろす。メヌールには悪いがレジーナの事情をみにいくとしよう。

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