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28.クイズ大会

 さあ、いい加減街があるでしょう! ってことで朝食時にまたクイズ大会はじまりです。

 一個目宿街でした。ちょっとここの道大丈夫って少し不安になります。

 二個目やった! 私の正解。街だー! なんか大きいな今までで一番。

 というわけで景品もないんでお昼ご飯決める権利をいただきました。やった!


 *


 昼食中の会話


「あのおじさんが言ってたならあと二日で王都だと思うんだ」

「て、ことは今日中!」

「ああ、でも、この辺ぶらぶら見て明日行く?」

「そうだね。なんか心の準備まだだし」

「うん。そうだね」


 てなわけで、宿屋を決めて午後はぶらぶらします。都会なんでしょうか、さらにこれなにってな物がいっぱいで王都直前の街を存分に楽しんだ私。

 ここには王がいないなんて、見る影もない。活気に溢れている。港町とはまた違う活気。

 物価も徐々に上がってるしね。



 夜はやっぱり捕まりました。長めのロープが役立つ日が来ました。小刀で切られた必要ない部分で布団ごとグルグルにされた私。類! 私がそんなに類の布団で寝たのを根にもたなくても。

 動けないし、暇なんで寝ました。



 ***



「おーい! アリス王都だぞ! 今日ぐらい起きろ!」


 うう、うん。そうだ、王都だ。あ、あれ? ロープないし。って普通は取るか。全く人をハムのように巻いて!

 怒りとともに目覚めると隆の晴れやかな顔。


「おはよう」

「おはよう」


 ああ、隆の顔見たら何も言えません。



 さて、朝食食べて、出発だ!

 一個目の宿街通過。

 次だ。次にある……

 王都への門が見える。


「アリス!」

「うん」


 港町のように高い塀に囲まれ全貌は全く見えない。門も大きな門だ。


「大きいね」

「ああ、どれくらいあるのかな?」

「ここからじゃ街も見えないな」


 門へ入る行列に並ぶため自転車を降りる。


「門番の検査厳しいのかな?」


 隆の言葉に私達は黙り込む。ここまでニセモノの札で来たけれどここで通じるんだろうか。

 順番まで緊張が解けない。ああ、ここまで来たんだ王都を見ないで帰れないよ。



「はい。次!」


 私の番。札を確認して鞄の中を見る。……


「はい。次!」


 良かったー。

 類と隆を待つ。

 ………

 類が来た。その後隆も。

 良かった。


「類、隆!」

「アリス!」


 お互いここまでの苦労とさっきまでの緊張といろんな思いが渦巻く。


「さあ、見よう!」

「見てやろうぜ、王都を!」

「うん」


 見るよ! ケンタウロス、王都を。



 ってその前に。


「ねえ、昼……」

「あ、そうだった」


 という訳でまずは腹ごしらえ。


「うわ!」

「高っ!」


 ここに来て物価急上昇!!


「王都すごいな。ある意味」

「でも何かすっごい美味しそうだよー」

「まあ、いいか。どこもこれぐらいだし」


 見ても見ても値段に差がないので食べたい物で選びます。うう、またこの二人! 趣味が似てるって食べ物もかい! 多数決でバッチリ負けました。



 食後は三人で自転車を押しながら見て回る王都を。

 自転車屋のおじさんの言うように王都では自転車珍しくないみたい。今までのように振り返って見られたりはしない。当たり前の乗り物なんだろう。実際すれ違う自転車に乗ってる人もいる。


「なあ、アリス聞いていい?」

「うん?」


 隆が聞いて来た。何だろう。


「アリスの夢で見たのって……」

「うん。そうここ。ここみたい?」


 そう。ここまでは純和風だったのに王都はまるで絵本に出てくる魔法の国だ。まあ、ちょっと日本入ってるし人も日本人なんだけどね。


「類と隆は?」


 二人も夢で見たと言った。ケンタウロスとともに。


「一緒だよ。だいたいここかなあ?」

「うん。僕もこんな感じ」

「でも、なんか……」

「そうだよね。何か予想と違うような」

「でも、今までの流れだとこうだよね」

「そうだな。急に洋風な魔法の国! とかだと、何で? だよな」

「うん」


 街の中、すごく広い迷子になりそう。

 でも……


「何か外とは違うな」

「うん。何か余裕を感じる」

「だよな。だんだん人に余裕があるよな」

「王がいなくてもここはまだまだ大丈夫って感じだね」


 誰だっけ、貧民層から打撃を受けると言っていたのは。皆が王都へ行きたがる筈だ。ここには焦りも貧しさもない。


「そろそろ宿を探すか?」

「そうだね。今からじゃ見て回りきれないね」


 大きな街なので宿屋を探すのも一苦労だった。おまけに安宿はないみたいだし。やっぱりね。


「仕方ないここにするか」


 今まで泊まった宿屋より数倍も高いけど選ぶ余地がないみたい。


「まあ、いいんじゃない?」


 資金はたくさんい残ってる。節約したからね。予想通り王都は高い。




 魔馬車置き場に自転車を停める。


「プっ!変なの」

「だねー」


 王都に来るとここまでは違うんだと、いちいち感じさせられる。




 この値段になると宿屋に食堂もついている。この街中また探すのも面倒だし、やっぱり高いだけあるね。

 部屋に行き荷物を置く。


「あ、同じ部屋でいいの? これ」

「うわー! ベット!」


 なんか懐かしいなあ。

 高いはずだよ、四人部屋だね。ってかベットなの気にしすぎじゃない? 類。


「いいよ! また高くなるし。っていうかベットだとなんか困る?」


 今までより部屋広いし布団よりいいような気がするんだけど。


「いや、俺は困らないけど、なあ、隆!」


 あ、話ふったな。


「うん。アリスがいいなら全然」

「私はいいよ。それよりご飯行こ!」

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