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27.王都まで

 朝から類が深刻げに相談です。


「なんとか王都でまでの徒歩の日数を聞き出そう!」

「だよね。気持ちの持って行き様がない」


 ああ、隆までめっちゃ凹んでたのね。


「じゃあ、宿屋かお客さんの中で朝食中に聞き出そう!」


 はい。めっちゃ張り切って食堂に乗り込んだ私達にあっさりと答えが飛んできた。


「王都まで歩いてあと二十日だってよ。よく徒歩で旅してる奴らいるよなー」


 って声が聞こえてきました。大声で。

 みんなで顔見合わせて笑います。二十日なら五日で着く! 最初に想定していた日と変わらなかったんで、一安心。いや、むしろヤバイもっとかかるかもと恐れたんで安堵の方が大きかった。

 やっといつもの二人になって笑顔の朝食!

 さあ、行けるところまで、いや、王都まで行ってやる!


 *


 今度も昼食は街でした。


「なんかちょっと物価上がってるな!」


 もう目的見えたんで草摘みはやめていた。あまり大金持ってるのも危ないしね。けど、一応ロイリの店はチェック。


「アリスここもファミリーか?」


 類が笑って聞いてきます。うるさい! ちょっと思っただけじゃない!!


「うう、違います」

「ああいうのの総称だね」


 のどやかな隆の声。なんで、類の棘には気づかないの?



 さてさて、後半戦は危ないので早速出発!

 ここの門番はフリーパスに近かった。仕事しようよ、門番さん。

 気持ちも楽に二個目の宿街に到着。

 ああ、宿街だろうと街だろうと気持ちは変わらなくなった。むしろ進んでるって気持ちもがするね。私がいなかったらもっと早く進むんだろうけどね。

 さあ、自転車旅三日目なんですっかり足も慣れてきた。

 またゴロゴロ遊ぼうとしたら類と隆に布団に押し込まれました。チッ、バレたか。


 ***


 さあて、街は何個目かクイズで盛り上がる。気分上上の私達。

 一個目宿街でした。

 二個目街! 私の正解! と言いたかったけど、宿街でした。ここでお昼をいただきます。

 三個目街! 類の正解。そうよ、その辺よね、だいたい。

 ではでは街を通過したんでまたもやクイズし直しです。

 じゃじゃん。

 まあ、宿街よね。ってことで今日はここに泊まります。


「なんか草減ってない?」

「減ってる!」

「それに山も遠くない?」

「あ、遠いかも! 森も見ないな」

「おお、日数的にももうすぐだよ」

「王都か」

「王都な」

「王都」


 それぞれに思い描く王都。夢で見た王都なんだろうか。


 ***


 次の日はしてやられたよ。クイズはすっかり全員外れ。行けども行けども宿屋街でした。

 お昼は隆がどうしても、例の乾燥したのを戻して食べたいと言い出したので、やってみました!!

 結果は。


「これはお湯で戻す物だな」

「まだかじった方がいい」

「水ではなんかたぶん違う」


 でした。

 水をかけてすんごい待ったんでお腹空いてるのにすすまない。三人ともそのうち乾燥してる方のをパリポリ食べてたし。

 てなわけで、夜ご飯はみんないつも以上に食べました。やっぱり普通のがいい。って結論に達しました。自転車あって良かった。



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