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25.ゴロゴロ

 いやー自転車乗っての草取りかなり困難と思いきや、草取りに慣れてたのと量が多くないので意外にすんなり終わりました。

 自転車っていいなあ。まだ日も暮れてない。一旦一泊延長した宿屋に自転車を停めてからロイリの店へ。




「アリス店主の顔見過ぎ!」

「まだそここだわってるの?」

「いやー、気になっちゃって。いいじゃない。別に。それより買い物、買い物!」


 雑貨屋から服屋までいろいろ覗いてます。ああ、足が楽だー! あんなに買い物するのが辛かったのにな!

 あ、ここあそこみたい。そうあの魔法の絵の店。これってこうなんだーってわかるので異世界人には便利なお店。あ、店主さんはそういう使い方されるとは思ってないでしょうが。


「ああ! 類! 隆!」

「マジで?」

「前の店、絵省略し過ぎ」


 そこに売っていたのは私達のランチです。が、絵は……水だかお湯だかかけてます。

 そのまま食べるんじゃないー。ガックリしてます。いや、美味しかったけどね。そりゃー味濃いわ。

 というわけで、それと一緒に弁当箱の様な物も買います。近くに売ってるし。このさいお湯だかどうだかはもう確認しません。お湯は手に入らないからね。魔力なしの私達には!

 で、三人ガックリ気味で店を出ます。


「マジかよー」

「いいんじゃない。あれはあれで美味しかったんだし」

「そうだよ。水かけたら不味いかもよ」


 一番凹んでる類を励ましつつ自分達を励ます。そうよここは異世界なんだから、多少の誤差なんていいじゃない! 細かいことを気にしてたら旅なんて続けられない。


 *


 お! この店いいんじゃない?

 と類も見ると隆と顔合わせてます。


「ここ見よう!」

「そうだな」

「じゃあ、入ろう」


 私は私で、類と隆は何やら相談中、ってか楽しそう。本当趣味が同じなんだね。お! 決めそう。私も決めよう。

 迷うけどまた二着はないもんなー。よしこっち!


「アリス、決まった?」

「うん」


 類に取られ値札のチェックもされてます。早っ!


「じゃあ、会計してくるな」

「はーい」

「ああ、頼んだよ」


 類が会計中に隆と話します。


「類って何時の間にか会計係だよね」

「ああ、そうだな」

「昔っから仕切ってたもんね」

「だよなー」


 なんて話てたらここの服屋は無口だったようです。すぐ戻ってきた類が睨んでます。


「聞こえてんぞ」

「あは。ごめん」

「けなしてないよ。褒めてるんだよ」

「隆、苦しいぞ」

「ほらほら、店出よ」


 店員さん見てるよ、こっち。


「これで全部買えたねー」

「じゃあ、飯屋探すか!」

「あっちの方だよね」


 う、お腹が鳴りそういい匂い漂ってるよ。


 *


 ご飯を食べて宿屋へ。お風呂も洗濯も終わらせてくつろぎタイム。

 ふー足だるくない! いいなあ、自転車は! 高いけど価値ありだね! 魔法の世界きて自転車って、すっごいまさか感たっぷりだよなー。


「アリス何考えてるの?」

「自転車最高って」


 隆は爆笑してます。類が洗面所から出てきましたよ。なによそんなに笑う事?


「何? 何?」

「あ、アリスが自転車最高って!」


 類も笑ってる。なんだよ、二人だって思ってるのに!


「そうだよな。いいよ。自転車」

「ああ。いい自転車最高」


 何だかとってもバカにされてる。


「何よー。いいじゃない、足だるくなんないし。時間は短縮だし」

「うん。そうだな。俺たちの歩きに合わせたりして大変だったろう? 毎日毎日歩きだったもんな」

「ごめん。ごめん。だよな。運動部じゃない、運動苦手なアリスはしんどかっただろうけど、ここまで頑張ってきたもんな」


 う、隆またフォローになってないような。まあ、いいんだけど。事実だし。

 うー! またゴロゴロしてやる!


「おい! アリスまたかよ!」

「今度は怒られないようにしないと」


 結局、いつ寝たかわからない感じで寝ました。ゴロゴロしてたら疲れちゃって。



 ***



「おい! このゴロゴロ女、人の布団で寝やがって!」


 どうやら類の布団でそのまま眠ってしまったみたい。だけど、いいじゃないどれも宿屋の布団なんだから。


 *


 さあ、新たなる出発! いきなり怒られたけどね。朝御飯食べて出発。

 門で札を見せいつもの緊張が走るけれど、セーフ。

 ここの役人は荷物点検もなしでした。人によって差があるのかも。まあ、港町は特別厳しいのかもしれないけれど。他国から人が来るから。


「アリス! 行こうか」

「うん」


 自転車乗って魔法の国を見てやる! ケンタウロスこれでいいんだよね?


 *


 まだお昼にもなってないよね? 前に一個目の宿屋街を通過! 凄い早い!

 石畳は体に振動が響くので砂地を走ってます。


「これめっちゃ早いけど、アリス大丈夫?」

「うん。上り坂じゃないなら大丈夫!!」


 隆の言葉。相変わらず優しいな。

 太陽? で時間を見るんでもうすぐお昼かもって頃にきました二個目の宿屋街。


「なあ、ご飯だけ食べれるか聞かない?」


 あ、あの乾いたやつ食べるの嫌になってるな類。


「そうだな。その方がいいな。中入って聞いてみよう」


 ってことで宿屋街に向かいます。お昼なのに人もいる気配。あ、荷車が置いてる。お昼も営業中なんだね。自転車なので外から何食か判断。値段は高いのはないと経験で知ってる。

 相談の結果今日はイタリアン! やった。いやイタリアン的な何かなんだけどね。

 ってことで、その宿屋の荷車置き場に自転車置いて中に入る。やっぱり当たり! だんだん馴染んでるんるなここの生活に。


「今で昼ならあと二個は進めるよな?」

「後は三区間だね」

「徒歩じゃ考えられない早さだな」

「ねえー」


 歩いてる時はずっと話をしてたけど荷車や魔馬車が通る上に徒歩の人もいるんで、並んで走るのは難しいので、一列で走ってます。なんで会話ほとんど出来ないんだよね。

 自転車に乗ってる間に気になった事を言い合ってます。ご飯食べながら。私達ってこんなにおしゃべりだったっけ?

 歩いて途方もない距離を歩くんだと思うと無口になっていたのが嘘みたい。



 お店を出てさあ、出発!!


「あと二つだ。夕方になりそうになったらダッシュするからアリス体力温存しとけよ」

「わかった」


 お腹いっぱいで自転車……ちょっとハードかも。でも、距離的に難しい道になるわがまま言えません。


「じゃあ、行こうか!」

「うん」

「おう」


 隆の合図で出発。



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