18.次の街まで
「アリス。起きてよ、ご飯は食べに行こう」
隆が私の起こし方つかんだようです。
う、イタリアンな朝食!
類の声が飛ぶ前に起きました。
寝ぼけまなこで今日も洗った服にもう着替えた二人を外に出して着替える。やっぱり新しい服はいいなあ。
朝食を食べに行く。おお! イタリアン的な朝食! 一体何国がここの食事? 外国は外国なんだろうか? 全部同じって訳じゃなさそうだし。私達の服を巳国の物のだと思ったぐらいだしね。
ここは日本的だよねー。だけど、魔法! 時々忘れそうになるけど異世界なんだよね。だんだんこの状況に慣れてきたのかな? いいんだか悪いんだか?
宿を出て、門へと向かう。
「やっぱり門に書いてるね」
「うん」
と、返事してよく見ると小人の時みたいに彫ってある。
「危ないからちゃんと消えないように彫ってあるな」
類も気づいて言う。
「出会ったら魔力吸われるって! 怖っ!」
「魔力持たなくても怖いよね」
襲われてるところを想像中。
「熊サイズだろー。しかも集団って、名前のネーミングそこからって」
「王がいる時には出ないから誰も見たことないって感じだったね」
昨日の晩御飯の時に隣のおしゃべりな商人が話してたのを聞いていたんだけど、話あいまいだったなー。
「まだ王がいなくなって間もないからだろ。壁も門も新しいのはそのせいだって」
「何で王がいないと出てくるんだろ? 小人もそうみたいだったよね」
「ああ、王がいれば森の動物も簡単に手に入るから今はすっごい高いとか言ってたよな」
王がいるのといないので国民の気持ちに影響するんだとばかり思ってたけど、小人とかにも影響するって……。
「ねえ、例えばだけど、王ならさ人間じゃない? 小人はほぼ無害でしょ? 森の草花も全部。ビッグダースは大きいしたくさんで行動してるから難しいけど、まあ、魔力に関しては関係ないじゃない?」
「王が小人やビッグダースを狩ってるってこと?」
私の問いに隆が答える。
「狩るものがいないから、小人やビッグダースがどんどん出て来て生活しにくくなる。そこから影響を受けやすい最下層民が打撃を受け始めるってことか?」
それを類が引き継ぐ。
「なーんてね。わかんないけど」
「だいたい王自ら狩に行くか?」
「でも魔力のない王が選ばれるのはなんで?」
「まあそうだな」
「それにここ戦争ないよ」
「えっ?」
「だって、国境が……」
私の言葉を類が引き継ぐ。
「まっすぐだったもんな」
「ああ、故意だよな。故意に国境創ったのに、侵入って、絶対」
「不死身じゃなくなるよね」
隆が言ってるのを私が引き継ぐ。
「戦争ないし、魔法使えないんだよ! 他になにやるの?」
「いや、国治めるでしょ?」
「まあ、そうなんだけど」
うう、この国の謎は全然解明できません。
そしてビッグダースが何なのかの話題に戻ります。しばらくこの話題で盛り上がる。そして話題は魔法に。
魔馬車や荷車が行き交うからね。やっぱりそこになる。
「魔法のイメージ変わった!」
「だよな。めっちゃメルヘンから遠いよな」
「背景設定がさー。日本って、しかも昔のってのが、またなんか違うよな?」
「そうそう! 外国ってイメージだもんね」
「魔法学校とかないのかな?」
「ないんじゃない? キョウ君まで使ってたし。しかも遊びで」
「キョウ……ああ、あの子か。そうだな。あそこじゃ学校も、なさそうだしな」
そこからは絵本やいろんな魔法のイメージと今の違いで盛り上がる。
太陽? が真上にきた。お腹もバッチリあってます。
というわけでランチに都合のいい場所まで移動して今日も乾燥食品のお昼です。
「おお! これもウマっ! 食べてみ!」
「美味しい! 何だろこの味。いつもなんの味かまでたどり着けないよ」
いろいろ想像するけど出てこない。
「僕も……あ! これすき焼き!」
「あー! それそれ! 卵ないやつね。ちょっと味濃いな」
水が進みます。次は街! 多分だけど。ついつい気が緩みます。
「ねえ。まだ草あるよ。大丈夫なんじゃない?」
「ああ、でもあんまり取るのはやめとこう。まだまだ資金に余裕あるしな」
「そうだね。目をつけられたら困るもんね」
宿屋で噂話をしてるのを他にも聞いてました。例のおしゃべりな商人が話ていた。巳国の三人組がいたのにいなくなったと騒ぎに一時なったらしいと。結局は通報人の誤報で済んだらしいけど、用心に越したことはない。目立つことは避けよう。
お昼も食べ終わり、やっぱり乾き物です。ついつい水飲み過ぎちゃいました。
「さあ、行くか!」
類の言葉で出発! 次の街まで!




