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真実とでたらめ


昨日は色々な事があった。

変な黒い男に殴られて手に変な紋章つけられて力だかを与えられた。

だがまだ力を見ていない。

つまり本当に力を持っているのかわからない。



ちょうど今は昼休み。

今日が金曜日で明日から休みだからか、やけにクラス中が騒がしい。

のんきな奴らだ。


一人で自分で作った弁当を食って昼休みが終わるまで寝る。

これがいつもの昼休みの過ごし方だ。


(さて、寝るかな....)


そう思ってチラッとクラスを見回した。


(あ.....)


昨日来た転校生を見つけた。

友達と楽しそうに可愛らしいお弁当を食べている。


すると急にその転校生、白井がこっちを見てきた。

俺も白井を見ていたのをあいつも感じたようで気まずくなって二人とも視線を逸らして何事もなかったようにする。


ちっ、なんだよあいつ。

なんか俺顔熱くないか?

まさかあいつと目があって恥ずかしかったのか?

.........くだらねぇ、寝よ寝よ。



そうして5分も経っていないときだろうか、突然声をかけられた。



「あ、あの黒崎君!」


「ん?」



寝ぼけて目を擦ったまま白井を見る。



「ちょっと話があるんだけどいいかな?」


「話?あぁ、どうした?」


「ここじゃ話ずらいから屋上来てくれる?」



やけにコソコソしている。

なんか相談か?

いや、それはないな。

だって昨日あったばっかだし、全然話したことないし。

検討がつかんな。


言われたまま席を立って屋上に向かう白井の後を追う。



するとクラスの男子が俺らの様子を見ていたのか茶化してきた。



「もしかして夢香ちゃん告白とか?」


「ねぇよ!ねぇよ!だって黒崎だぜ?」


「まぁ、そうだよな!」


「ギャハハハハハ」



などとクズのような声が聞こえる。

そいつらを思いっきり睨みつけてやった。

そしたら恐がって一目散に逃げていったさ。


ふん、俺だって告白くらいはされるさ。

いつかはな........

もしかしたら白井だってこ、告白かもしんねぇしな。

ひ、一目惚れとかってあるじゃん?

そ、それかもな。



そして屋上についた。

ゆっくり見回してみたが特に誰もいない。

まぁ、今でもちょっと風が冷たいしな。



「黒崎君って昨日黒い服の男の人と会った?」



急に話しかけられて驚いた。



「あぁ、まぁな。でもどうして知ってる?」


「いや、昨日学校の帰りに道に迷っちゃって黒崎君と黒い服の男の人が見ちゃってさ?」



なんでガッカリしてんだ俺。

理由?

んなもん言えるかタコ。



「そんで?それがどうした?」


「いや、私も帰りに黒い服の男の人に話しかけられてさ。「特別な力」?ってやつをもらったんだよね。」


「力をもらった?それは本当か!?」


「うん。ほら。」



そういって白井は左手の手首を見せつけてきた。

俺のと同じ紋章だ。



「俺のと同じ......」



俺も右手首の紋章を白井に見せた。



「あ、それがあるって事は黒崎君も力をもらってるんだね。一人じゃなくてよかったーぁ!」


「これが力を表すのか?」


「うん。その紋章が力の持ち主だって黒い服の男の人が言ってたよ?」


「そうか。やっぱり俺ももらってたんだな。んで、お前大丈夫か?」


「大丈夫って?なにが?」


「いや、あの男に殴られて気を失って気づいたらその紋章が入ってたろ?」


「ん?いや、なんか手首出したら普通に入れてもらえたけど?」


「は?」



俺は殴ったくせに白井には普通に与えやがったな。

あの男め、女好きだな。



「なんかあの人に色々言われたんだけどさ。」


「その話聞かせてくれないか?」



その後白井の言語力には苦戦したが色々聞いて大体は分かった。


1.あの男には俺達に力を与えなければならないという使命があったこと


2.力を持つものには体のどこかに紋章があること


3.力は自分の好きな時には使えず、必要とするときのみ使えること


4.そして俺らの力を狙うやつがいるとこ


5.そいつらも力を持っていて襲いかかってくること


6.俺らは力を使って自分達の力を守らなければならないこと


7.そしてあの黒服の男が俺の父親だということ



「待て!今なんて?」


「えっと、あの黒い服の男の人が黒崎君の父親だって。」


「え?」



そんなはずはない。

俺には父親がいない。

昔俺が物心つく前に亡くなったと母さんは言っていた。

なのになんで?

あいつが俺の父親なわけがない。

なんでか分からない。


俺が俯いて悩んでると白井が俺見ているのに気がついた。



「あぁ、すまん。大体は分かった。ところでその力を狙う奴らには会ったのか?」



父親の事は今は分からないので家に帰ったら母さんに聞いてみよう。

とりあえず今は力の話だ。



「ううん。見てないよ。」


「そうか、いつ来るかわからないからな。気を付けないと。」



ガシャーン!!


そんなことを話してるときに下の方から窓ガラスが割れる音がした。


俺は白井を見た。

白井も俺を見た。

考えていることは同じなようだ。

まさか......


俺達は急いで下の階に降りた。

廊下から俺らのクラスに人が集まっているが見える。

急いでクラスの中を覗いた。



「あ。二人一緒にみーつけたぁ♪手間が省けたよぉーぉ。ありがとねぇ♪」


「お前何者だよ?」


「何者ぉ?そんなこと聞くのぉ♪」



くっ。

俺らの事わかってるみたいだな。



「あぁ、わかるよ。能力者だろ?」


「話が早くて嬉しいよぉ♪僕の名前は足立尚也(あだちなおや)だよぉ。能力者ってことでよろしくねぇ♪」


なんだこいつ。

上下黒い服に白い髪。

顔にはたくさんのピアスやチェーンがついている。

正直気持ち悪い。


白井が俺の後ろで裾を掴んでいる。

足が震えているらしくこいつビビってるだろ?

その、なんだ。

こいつの震える足が俺の足に当たっていて、大事な時なのに集中できん。



「本当に能力者なのか?」


「信じられないのぉ?ほらぁ♪」



すると男は舌を伸ばして見せてきた。

伸ばして舌には紋章とたくさんのリングがついていた。



「なるほどな。初めて能力者を見たからな。わからなかった。」


「そっかぁ♪ならしかたないねぇ。んでさぁ、いつ君達の力も見せてくれるのかなぁ?僕お腹空いてるからさぁ、早く見せてよぉ♪」



話し方がいちいち腹立つな。

ムカつくやつだな。



「俺達は力の使い方がわからないんだ。だから見せられないな。」


「そっかぁ。ってことは力を発動条件もわからないんだねぇ♪初々しいねぇ!」



そういうと能力者はだらんとした腕を伸ばして割れたガラスの破片を持った。

そして辺りを見回して一人の男子生徒を見た。



「君なんかいい顔してるねぇ♪よろしくねぇ!僕は「足立」って呼んでくれればいいからぁ!仲良くしよぉねぇ♪」



そういうと足立という男は立っていたその場から一瞬にして消え、男子生徒の横に立っていた。



「ほらぁ♪よく見ててねぇ♪」



足立はこちらを見ながら持っていたガラスの破片で男子生徒の腕を切りつけた。



「どう?どう感じてるぅ?♪」



男子生徒は大声を上げた。

男子生徒の腕から血が流れ男子生徒は腕を押さえながら座り込んだ。

廊下にいる生徒達からは悲鳴があがる。


俺の後ろにいる白井も俺の裾を掴んで震えている。



「そっかぁ。まだかぁ。じゃあ次は誰にしようかなぁ♪...........あーぁ!君にしよっと♪」



足立の目の先にいるのは、今日昼休みに白井と昼飯を一緒に食べていた女子生徒だ。

女子生徒は恐怖のあまりに腰を抜けたのだろう。

その場に座り込んでしまった。



「なかよくしよぉねぇ♪」



そういうと足立は先程と同じようにその場から一瞬で消え女子生徒の後ろに立っていた。そしてガラスの破片を女子生徒の首に当ててこちらを見た。



「次は死んじゃうかもねぇ♪いくよぉ?」



その時白井が俺の裾から手を離した。

そして俺の横に立った。



「だめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」



白井が叫んだ。

その時足立はニタリと笑った。

俺には何が起きてるのか分からなかった。



「やっと見せてくれたねぇ♪」



そう言うと持っていたガラスの破片を当てていた女子生徒の首から離し投げ捨てた。


そして俺は横にいる白井を見た。

白井は普段茶色いセミロングの髪なのだが今は髪が白色になって輝きを放っている。

目の色も白く体の周りが白く光っているように見える。



「これが「特別な力」?」


「そうだよぉ♪すごい力だねぇ!!楽しくなってきたよぉ♪」


「さぁ、今すぐその子から離れなさい。」



白井のいつもの話し方とは違う。

大人っぽく冷静になったような話し方だ。




「これが力......?」



こんなことあっていいのか?

どう考えても現実から離れすぎてるだろ。

頭がおかしくなりそうだ。



「やっと力を見せてくれたねぇ♪」


「もう一回だけ言うわ。その子から離れなさい。」


「わかったわかったぁ♪離れるよぉ!ほらっあぁぁぁぁぁぁ!!!!」



そう足立が叫ぶと足立は一瞬で消え、白井の目の前に現れた。

そして拳をすかさず振るう。

普通の人間なら反応もできない速さだが白井は違った。



「甘いわ。」



そういうと足立の振るっていた拳が白井に当たる前に急に止まった。



「それが君の力かぁ♪なかなかやるねぇ!!」



俺にはよくわからなかったが、どうやら白井は能力を使って足立の拳を止めたらしい。



「慎重にいかないと僕がやられちゃうねぇ♪ここは一旦離れた方がいいねぇ!ヤりにくいしねぇ♪」


「その方が私たちも嬉しいわ。」


「それじゃあ屋上にいるからすぐおいでよぉ!もし逃げたらどうなるかわかってるよねぇ?♪」



そういうと座り込んでいた女子生徒をじっくり見て消えていった。



「逃げられないことはわかってるわ.....」



白井が小さく呟いた。

そう俺達はもう逃げられない。



俺と白井は屋上へ向かう。

その途中俺は考えていた。


足立の能力は「空間を移動できる」ということ、俺の能力が発動しないこと、白井が能力を発動できた理由。

色々考えたがわからない。

今は考えるより行動だ。



屋上に着いた。

足立は屋上の真ん中でポツンと立っているようだ。



「やっと来たみたいだねぇ♪そっちの女の子は覚醒したみたいだけど男の子の方はまだだねぇ。条件はなんだろうぅ?」



条件?能力を使うのに条件がいるのか?

ということは白井は条件を満たしたんだな。

白井が満たして俺が満たしていないということは、俺と白井の発動条件は違うということか。



「ずいぶん悩んでるみたいだねぇ?力の使い方がわからなくてぇ♪」


「あ、あぁ....」



俺は怖じ気づいて不安になり横にいる白井を見た。

だが白井は何も言わず、じっと足立を睨み付けている。



「ふぅん。分からないのかぁ。じゃあ僕が特別に少し力について教えてあげるよぉ♪僕も君の力を見たいしねぇ♪」


「あ、あぁ。頼む。」



よくわからないがここは話を聞いた方がよさそうだ。

何か分かるかもしれないしな。



「能力にはねぇ、発動条件があってぇ例えば僕だと「空腹」ねぇ?お腹が減ってる時だけ使えるんだよぉ。」


「「空腹」?」


「言い方が悪かったかなぁ?力の発動条件は基本的に「感情」や「欲」なんだよぉ?だから僕の場合は「食欲」だねぇ♪」



なるほど。

つまりさっき白井は友達が危険な状況で叫んだ。

それで感情が高ぶり、発動したわけか。



「僕の能力は「瞬間移動(モーメントアーツ)」なんだぁ♪だから目に見えている範囲内なら一瞬で行けるんだよぉ!すごいでしょお?♪」


「ああ。力については大体分かった。しかしなんで白井は急に容姿が変わったんだ?」



今でも白井は全体的に白い感じになっている。

能力を使っているのが見ただけでわかる。



「あの男が与えた能力は僕の持つ力とは違う「特別な力」でねぇ。僕なんかよりも強い能力なんだよぉ♪」


「だからお前はこの力を欲しがっているんだな?」


「察しがいいねぇ♪そのとおりだよぉ!だから君の力も見せてほしいんだよぉ♪」



だが俺には能力の発動条件がわからない。

どうすればいいんだ。

すると白井が急に口を開いた。



「あなた、足立とかいったわね。あなたは黒崎君の能力の発動条件が分かっているんじゃないの?」



能力のせいか、やはり大人っぽい口調。

しかしなぜ急にそんなことを?



「よく分かったねぇ♪確かではないけど大体は分かるよぉ!僕は天才だからねぇ♪」


「じゃあ教えてちょうだい。」


「言って教えるより実際にやった方が楽しいかもねぇ♪」


「白井のときみたいにか?」



冷静に聞く。

相手にのまれないように。

足立は笑いながら言う。



「君、黒崎君だっけぇ?黒崎君はお父さんいないんだっけぇ?♪」


「なんだ急に?」


「黒崎君は黒い服の男がお父さんって信じられるかなぁ?」


「なに?」



どうしてこいつがそんなことを知ってる?

第一その情報が確かかもわからない。



「実はあの男、黒崎君のお父さんなんだよぉ?♪」


「勝手なこと言うな!確かな情報か分からないだろ!」



俺は父親の話が嫌いだ。

どの家庭にもいるのに俺の家庭にはいない。

父親との思い出どころか顔すら知らない。



「分かるさぁ♪だって......あの男は僕の仲間だからね。」



あの黒い服の男が「父親」でさらに「足立の仲間」だと?

意味わかんねぇ。

混乱した頭が破裂しそうだ。



「あの人がねぇ、君に力を与えた理由は.....」


「うるせぇ!!!でたらめ言ってんじゃねぇ!!!」



くそっ。

意味わかんねぇ。

頭に血が上るのがわかる。



「だって本当のことだしねぇ?君のお父さんは君が嫌いみたいだよぉ?」



ちがうちがうちがうちがう!!!

俺は父親の顔も知らないし第一俺の父親は死んでるはずだ!!

嫌われてだっていない!!!



「力を与えて自然な形で僕みたいな能力者から狙われて君が「死ぬ」のが願いみたいだしねぇ?」


「死んだはずの俺の父親が急に現れて俺を殺そうとしてるだと?ふっざけんなよぉ!!!わけわかんねぇこと言ってんじゃねぇ!!」


「君は父親に嫌われて父親に殺される「運命」なんだよぉ!!!!」


「っるせええええ!!!!!!!」



足立の言葉を聞いて俺の中の何かが弾けた。

怒りで頭がおかしくなったのかもしれない。

なんだか体が熱くなってきた。



「きたきたぁ!!♪やっときたよぉ♪」



俺は叫んだ後視界が一瞬白くなってどうなったんだ?

なんだ?

状況がわからない。


そう思っていると視界が明るくなってきた。

なんだ右手や背中が重い。

右手を見てみると手から肘にかけて右手に変な物体がついている。

爪も長く腕自体が黒くなっていて変な模様もついている。


そして背中を見てみようと首を回してみると背中からは黒い翼が生えている。

大きな黒い翼。

一枚一枚黒い羽で覆われている。



俺は足立を睨み付ける。



「てめぇ殺す。」


「あはははっ♪怖いねぇ♪」



自分では思ってもいないことを口にする。体は動くが思ったようにしゃべることがない。



「許さねぇ。殺す。」



そうか。

心の底から思っていることを喋っちまうのか。



「やっと準備ができたわね。」



俺の様子を見て白井は驚くこともなく、ただ俺に一言言った。

俺は白い輝きを放つ白井を見て頷いた。



「それじゃあ用意ができたところで始めようかぁ♪楽しい楽しい戦いをぉ♪」


「潰してやる。」「覚悟しなさい。」




次の瞬間。

俺は黒い翼を大きく開いて飛び立った。

白井は左手を前に伸ばして力を使おうとする。

足立はその場から一瞬で消える。



俺らの運命の歯車が動き出した。





............潰してやる。










はい!どうもちゃです!

今回は「黒い王子と白い姫」を読んで頂きありがとうございました。



今回はついに能力を出してみました!

軽く解説回になってしまいましたがw


戦闘シーンは次回バシバシ出していきます!!



ここで重大なニュースをひとつ!


なんとこの小説のイラストを描いていただけました!


描いてくれたのはbibiさんです!

本当にありがとうございますm(__)m



とってもカッコいい爽人も夢香でした!


見たいかたはブログまで行ってください!!




最近春休みなので更新が早いですが、学校が始まっても更新速度は変わらないようにしたいです!


頑張って書いていきますのでこれからもどうぞよろしくお願いいたします!



アドバイスや感想を頂けるとえくぼの落とし穴が出来るほど喜びます!


では今回は「黒い王子と白い姫」を読んで頂きありがとうございました!

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