これがホルンか!
俺は成田 将。大学入学を楽しみに待っている。古本屋で買った総譜を読みながら曲を聴くことがルーティンとなっていた。
伯父さんとの約束の土曜日になった。伯父さんの家に行った後、俺は伯父さんと一緒に連れられて楽器店に行った。そこで伯父さんは言った。
「俺からの合格祝いは、楽器だ。自分の好きな楽器を1つ選ぼう。」
俺は突然のことで理解が追いつかなかったが、急に嬉しくなった。
俺は真っ先にホルンが置いている場所へ行った。YAMAHA、Hans Hoyer、Alexander…、聞いたことないメーカーもあったがどれも神々しい。俺は店員に言った。
「初心者なんですが、どれがオススメですか?」
店員は言った。
「それならやっぱりYAMAHAですね。」
それはそうだ。YAMAHAは日本が誇る楽器メーカーだ。俺は伯父さんと相談した。
「この値段なら大丈夫だよ。どれがいいの?」
俺に楽器の良し悪しはわからない。すると店員が言った。
「この“選定品”と書かれている楽器は、プロが選んだものなのでオススメです。」
そして俺はYAMAHAの選定品楽器を買ってもらった。1日で決めてしまった。俺は興奮した。
次の日から練習を始めた。音大への進路が決まっていた橋本 卓と一緒に練習をした。卓は最初はビックリしていた。それはそうだ。俺が楽器を始めるなんて想像もできなかっただろう。卓は丁寧に教えてくれた。俺はホルンの魅力に益々惹かれた。楽器を演奏するって楽しいのか。あっという間に上達した。中学3年生レベルにはなっただろうか。気がつくともう4月であった。家から通うことのできる距離だったのでギリギリまで練習した。
ある日、外国のオーケストラの来日公演があった。俺の知る楽団ではなかった。曲目は、
・魔弾の射手 序曲/ウェーバー
・わが祖国より「モルダウ」/スメタナ
・交響曲第5番/チャイコフスキー
であった。俺は感動した。久しぶりに聴いた生の音。ドイツで聴いた音楽のように繊細だった。そして豊かだった。特に交響曲は印象的で、
「これがホルンか!」
と思わず言ってしまった。周りの人に聞こえていないか心配である。
俺の入学式が明日に迫った。母の作る夕食は一段と豪華であった。母も楽しみだったのだろう。俺は何かするわけでもなかったが緊張した。そして眠った。




