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Orchestra!!  作者: 小谷 冷
大学受験編
3/11

祝合格!

 俺は成田 将。勉強に集中している。後少しで受験生が終わると考えると感慨深いものがある。ここまで頑張ったことはない。

 試験を難なく乗り越えた俺は、東京の市立大学に合格した。合格発表は3月上旬だった。4月6日の入学式までに俺はやりたいことがあった。それは楽器の練習だ。ここで少しでも上達したかった。家には母のヴァイオリンがあった。しかし俺は好きな楽器があった。それは「ホルン」だ。オーケストラの花形楽器。音色を自由自在に操ることができるあの楽器が大好きだった。

 ある日、俺の伯父さんが電話してくれた。

「将。祝合格! 良く頑張ったな。俺は嬉しいぞ。」

そして続けて言った。

「合格祝いは何がいいか? 何でもいいぞ。」

この伯父さんは、俺の亡き父のお兄さんだ。父と同じく優しい性格で、俺をいろんな所へ連れていってくれていた。ドイツへの留学を勧めてくれたのも伯父さんだった。そんな伯父さんは言った。

「そう言えば音楽はまだ好きなのか?」

俺は言った。

「もちろん。大学ではオーケストラに所属しようと思っているよ。」

すると、伯父さんは言った。

「おぉそうか。良いじゃないか。どの楽器をするんだ?」

俺は悩んで言った。

「ホ…ホルンがいいな。」

伯父さんは少し考えて言った。

「ホルンか、いい楽器だな。俺も昔吹奏楽をやってた頃に友達が吹いてたよ。その友達は上手でね。」

伯父さんは話すことが大好きだった。長話になった。俺は伯父さんが吹奏楽をやっていたという事実に驚いた。伯父さんは話の最後にこう言った。

「将。来週の土曜日空いているか?」

俺は何のことかわからず思わず言った。

「空いているよ。」

伯父さんは言った。

「そうか。わかった。じゃあな。」

そうして電話を切った。何か楽しそうであったが、伯父さんの思い出話に付き合うのは疲れた。俺はそのままリビングのソファで寝てしまった。

 気がつくと、夕方だった。母が少し早く帰ってきていた。

「将。今日はプレゼントがあるの。」

母は私に本をくれた。中を見るとベートーヴェンの交響曲第6番『田園』の総譜だった。

「古本屋で見つけたの。将が好きだった曲だったよね。」

俺は震えた。初めて触った指揮者の楽譜。俺はその日の夜、総譜を読み込んでは曲を何度も聴いた。新しい感動があった。

 それから俺は母に教えてもらった古本屋を訪れた。楽譜がいっぱいあった。小遣いはそこまでなかったが、買える限りの楽譜を買った。

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