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Orchestra!!  作者: 小谷 冷
大学受験編
2/11

どこの大学を受験するの?

 俺は成田 将。数学が得意だ。大学では理学部数学科を受験しようとしていた。だが、数学以外の強化は苦手だった。母の負担を減らすために国立大学へ行きたかったが、とても東京の大学には行けなかった。だから九州地方の大学に行こうと思った。

 俺の一番苦手なイベントがある。三者面談だ。母は教師だから進路選択には厳しかった。俺の成績を悪く言うことはなかったが、進路についてはいろいろな選択肢を示していた。俺は担任が嫌いだった。担任の金本先生は、俺の成績に文句を言う。俺も少しは頑張っているが、それを認めてはくれない。だがストレスはいつもクラシック音楽が浄化してくれる。俺の心は常にきれいだった。

 三者面談当日、金本先生に言われた。

「成田君の進路ですが、本人から直接聞きたいですね。どう思っているの?」

俺は言った。

「どこでも良い。自分が生活できる場所なら。親に苦労をかけないなら。」

母が言った。

「お金のことを考えているの? それは大丈夫よ。今あなたが気にすることではないわ。何がしたいかを正直に話して。」

俺は言えるわけがなかった。オーケストラに所属したいだなんて。そう言えば「音大に行けばいいじゃないか」と言われる。そうじゃない。俺は趣味で楽しみたいだけなんだ。だが金本先生は言った。

「君の今の成績だと私立大学しか提案できない。国立大学を提案しても遠い田舎の大学しかないぞ。」

その言葉は俺の心に強く響いた。そして思わず言ってしまった。

「俺はオーケストラがしたいんだっ。」

その言葉は、教室を越えて廊下に響き渡った。冬の廊下は一段と響く。

 その日は特に何も決まらなかったが、後日金本先生に呼び出されて、数学科が有名でオーケストラが有名な市立大学を提案された。県外だが電車で行くとそんなにかからない。動画アプリで聴いてみると確かに良い音だった。ここなら行けると確信した。俺は本格的に勉強に取り組んだ。

 金本先生と母は以前同じ職場だったので、仲が良かった。受験校が決定した後、母は電話で金本先生と話していた。どうやら金本先生はオーケストラが有名な大学を片っ端から探してくれていたらしい。心の中で俺は先生に初めて感謝した。

 俺の帰りは益々遅くなった。図書館で閉館時間まで勉強した。どんなに遅く帰っても母の料理はいつも温かかった。母に勉強を教えてもらうこともしばしばあった。後少し。俺はオーケストラよりも勉強に集中することができる日があるとは夢にも見なかった。

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