10/1959 雨[日齊]之 雲尓副而 霍公鳥
題詞:夏雜歌
校異:歌 [西] 謌
10/1937
題詞:詠鳥
原文:大夫<之> 出立向 故郷之 神名備山尓 明来者 柘之左枝尓 暮去者 小松之若末尓 里人之 聞戀麻田 山彦乃 答響萬田 霍公鳥 都麻戀為良思 左夜中尓鳴
訓読:大夫に 出で立ち向ふ 故郷の 神なび山に 明け来れば 柘のさ枝に 里人の 聞き恋ふるまで 暮れ行けば 小松が末に 山彦の 響め交ふまで 霍公鳥 妻恋ひすらし さ夜中に鳴く
仮名:ますらをに いでたちむかふ ふるさとの かむなびやまに あけくれば つみのさえだに さとびとの ききこふるまで ゆふされば こまつがうれに やまびこの とよめかふまで ほととぎす つまごひすらし さよなかになく
校異:丹→之 [元][類]
柘:つみ、づみ、山桑、つげ。
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10/1938
題詞:反歌
原文:客尓為而 妻戀為良思 霍公鳥 神名備山尓 左夜深而鳴
訓読:旅にして 妻恋ひすらし 霍公鳥 神なび山に さ夜更けて鳴く
仮名:たびにして つまごひすらし ほととぎす かむなびやまに さよふけてなく
左注:右 古歌集 中 出
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10/1939
原文:霍公鳥 汝始音者 於吾欲得 五月之珠尓 交而将貫
訓読:霍公鳥 汝が初声は 吾に欲れね 五月が玉に 交へて貫かむ
仮名:ほととぎす ながうぶごゑは あにほれね さつきがたまに まじへてぬかむ
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10/1940
原文:朝霞 棚引野邊 足檜木乃 山霍公鳥 何時来将鳴
訓読:朝霞 たなびく野辺に 足引きの 山霍公鳥 いつ来鳴かむか
仮名:あさかすみ たなびくのべに あしひきの やまほととぎす いつきなかむか
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10/1941
原文:旦<霧> 八重山越而 喚孤鳥 吟八汝来 屋戸母不有九<二>
校異:霞→霧 [類] / 三→二 [西(訂正)][元][類][紀]
修正:旦<霞> 八重山越而 喚孤鳥 吟汝来有八 屋戸母不<三>九
訓読:朝霞 八重山越えて 呼子鳥 鳴く汝来なるや 宿も見なくに
仮名:あさがすみ やへやまこえて よぶことり なくなきなるや やどもみなくに
吟:嘆く、うめく、歌う。
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10/1942
原文:霍公鳥 <鳴>音聞哉 宇能花乃 開落岳尓 田葛引D嬬
校異:<>→鳴 [西(右書)][元][類][紀] / 葛 [万葉集略解](塙) 草
修正:霍公鳥 田葛引[女感]嬬 宇能花乃 開落岳尓 <>音聞哉
訓読:霍公鳥 葛引く娘女 卯の花の 咲き散る岡に 声聞くるなり
仮名:ほととぎす くずひくをみな うのはなの さきちるをかに こゑきくるなり
D:[女感]
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10/1943
原文:月夜吉 鳴霍公鳥 欲見 吾草取有 見人毛欲得
訓読:月夜よく 鳴く霍公鳥 見まく欲り 吾は草取らり 見欲るる人も
仮名:つくよよく なくほととぎす みまくほり あはくさとらり みほるるひとも
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10/1944
原文:藤浪之 散巻惜 霍公鳥 今城岳S 鳴而越奈利
訓読:藤波の 散らまく惜しむ 霍公鳥 今城の岡は 鳴きて越ゆなり
仮名:ふぢなみの ちらまくをしむ ほととぎす いまきのをかは なきてこゆなり
S:U+20BA7[口刂]
叭?
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10/1945
原文:旦霧 八重山越而 霍公鳥 宇能花邊柄 鳴越来
訓読:朝霧の 八重山越えて 霍公鳥 卯の花辺から 鳴き越え来なり
仮名:あさぎりの やへやまこえて ほととぎす うのはなべから なきこえきなり
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10/1946
原文:木高者 曽木不殖 霍公鳥 来鳴令響而 戀令益
訓読:木高くは そ木を植ゑなき 霍公鳥 来鳴き響まし 恋増さらしむ
仮名:きだかくは そぎをうゑなき ほととぎす きなきとよまし こひまさらしむ
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10/1947
原文:難相 君尓逢有夜 霍公鳥 他時従者 今<社>鳴目
校異:杜→社 [元][類][紀]
訓読:逢ひ難き 君に逢ふる夜の 霍公鳥 他時よりは 今こそ鳴かめ
仮名:あひがたき きみにあふるよの ほととぎす ほかどきゆりは いまこそなかめ
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10/1948
原文:木晩之 暮闇有尓 [一云 有者] 霍公鳥 何處乎家登 鳴渡良<武>
[一云]
原文:木晩之 暮闇有者 霍公鳥 何處乎家登 鳴渡良<武>
校異:哉→武 [元][紀][矢][京]
訓読:この暮れの 暗闇なるに[なれば] 霍公鳥 いづくを家と 鳴き渡らふや
仮名:このくれの くれやみなるに[ならば] ほととぎす いづくをいへと なきわたらふや
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10/1949
原文:霍公鳥 今朝之旦明尓 鳴都流波 君将聞可 朝宿疑将寐
訓読:霍公鳥 今朝の朝明に 鳴きつるは 君聞きなむか 朝寐寝けむか
仮名:ほととぎす けさなさけなし なきつるは きみききなむか あさいねけむか
校異:1949~1951に錯簡あり
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10/1950
原文:霍公鳥 花橘之 枝尓居而 鳴響者 花波散乍
訓読:霍公鳥 花橘の 枝に居て 鳴き響みなば 花は散りつつ
仮名:ほととぎす はなたちばなの えだにゐて なきとよみなば はなはちりつつ
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10/1951
原文:慨哉 四去霍公鳥 今社者 音之干蟹 来喧響目
訓読:嘆きなる 醜霍公鳥 今こそば 声嗄れしかに 来鳴き響めめ
仮名:なげきなる しこほととぎす いまこそば こゑかれしかに きなきとよめめ
慨:嘆く、憂う、妬む。辛い気持ちで心が一杯になる。
嗄:泣いて声がかれる。
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10/1952
原文:今夜乃 於保束無荷 霍公鳥 喧奈流聲之 音乃遥左
訓読:今夜の おぼつかなきに 霍公鳥 鳴くなる声の 音の遥けさ
仮名:このよるの おほつかなきに ほととぎす なくなるこゑの おとのはるけさ
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10/1953
原文:五月山 宇能花月夜 霍公鳥 雖聞不飽 又鳴鴨
訓読:五月山 卯の花月夜 霍公鳥 聞けども飽かず またも鳴くかも
仮名:さつきやま うのはなつくよ ほととぎす きけどもあくなく またもなくかも
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10/1954
原文:霍公鳥 来居裳鳴香 吾屋前乃 花橘乃 地二落六見牟
訓読:霍公鳥 来鳴き居るかも 吾がやどの 花橘の 地に落ちむ見む
仮名:ほととぎす きなきゐるかも あがやどの はなたちばなの つちにおちむみむ
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0/1955
原文:霍公鳥 厭時無 菖蒲 蘰将為日 従此鳴度礼
校異:菖 [元][類] 昌
訓読:霍公鳥 いとふ時なし あやめぐさ かづらにせむ日 こゆ鳴き渡れ
仮名:ほととぎす いとふときなし あやめぐさ かづらにせむひ こゆなきわたれ
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10/1956
原文:山跡庭 啼而香将来 霍公鳥 汝鳴毎 無人所念
訓読:大和には 鳴きて来なむか 霍公鳥 汝が鳴くごとに なき人思ほゆ
仮名:やまとには なきてきなむか ほととぎす ながなくごとに なきひとおもほゆ
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10/1957
原文:宇能花乃 散巻惜 霍公鳥 野出山入 来鳴令動
訓読:卯の花の 散らまく惜しむ 霍公鳥 野に出で山に入り 来鳴き動かす
仮名:うのはなの ちらまくをしむ ほととぎす のにいでやまにいり きなきうごかし
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10/1958
原文:橘之 林乎殖 霍公鳥 常尓冬及 住度金
訓読:橘の 林を植ゑなる 霍公鳥 冬まで常に 澄みわたるかね
仮名:たちばなの はやしをうゑなる ほととぎす ふゆまでつねに すみわたるかね
はやし:囃子、生やし
うえる:植う、餓う
すむ:澄む、棲む
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10/1959
原文:雨へ之 雲尓副而 霍公鳥 指春日而 従此鳴度
訓読:雨晴れの 雲にたぐひて 霍公鳥 春日をさして こゆ鳴き渡る
仮名:あまばれの くもにたぐひて ほととぎす かすがをさして こゆなきわたる
へ:U+232E0[日齊]
修正:雨臍之 雲尓副而 霍公鳥 指春日而 従此鳴度
訓読:雨細し 雲に沿ひたる 霍公鳥 春日を指して こゆ鳴き渡れ
仮名:あめほそし くもにそひたる ほととぎす かすがをさして こゆなきわたれ
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10/1960
原文:物念登 不宿旦開尓 霍公鳥 鳴而左度 為便無左右二
修正:物念而 不宿登旦開尓 霍公鳥 鳴度左 為便無左右二
訓読:物思ひて 寐ねぬと朝明に 霍公鳥 鳴き渡らさる 術なきまでに
仮名:ものおもひて いねぬとあさけに ほととぎす なきわたらさる すべなきまでに
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10/1961
原文:吾衣 於君令服与登 霍公鳥 吾乎領 袖尓来居管
訓読:吾が衣 君に着せよと 霍公鳥 吾を諾からす 袖に来居つつ
仮名:あがころも きみにきせよと ほととぎす あをうべくあらしむ そでにきゐつつ
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10/1962
原文:本人 霍公鳥乎八 希将見 今哉汝来 戀乍居者
修正:本人 希将見 霍公鳥乎 八今哉汝来 戀乍居者
訓読:許つ人 望み見ならむ 霍公鳥 今汝来なるや 恋ひつつ居れば
仮名:もとつひと のぞみみならむ ほととぎす いまなきなるや こひつつをれば
本つ人:本妻、幼馴染、亡くなった仲の良い人など。
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10/1963
原文:如是許 雨之零尓 霍公鳥 宇<乃>花山尓 猶香将鳴
校異:之→乃 [元][類][紀]
訓読:かくばかり 雨の降りしに 霍公鳥 卯の花山に なほも鳴かむか
仮名:かくばかり あめのふりしに ほととぎす うのはなやまに なほもなかむか




