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私的解釈で詠む万葉集  作者: あ
4巻~
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80/124

10/1959 雨[日齊]之 雲尓副而 霍公鳥

題詞:夏雜歌

校異:歌 [西] 謌

10/1937

題詞:詠鳥

原文:大夫<之> 出立向 故郷之 神名備山尓 明来者 柘之左枝尓 暮去者 小松之若末尓 里人之 聞戀麻田 山彦乃 答響萬田 霍公鳥 都麻戀為良思 左夜中尓鳴


訓読:大夫に 出で立ち向ふ 故郷の 神なび山に 明け来れば 柘のさ枝に 里人の 聞き恋ふるまで 暮れ行けば 小松が末に 山彦の 響(とよ)め交ふまで 霍公鳥 妻恋ひすらし さ夜中に鳴く


仮名:ますらをに いでたちむかふ ふるさとの かむなびやまに あけくれば つみのさえだに さとびとの ききこふるまで ゆふされば こまつがうれに やまびこの とよめかふまで ほととぎす つまごひすらし さよなかになく


校異:丹→之 [元][類]


柘:つみ、づみ、山桑、つげ。


~~~~~~


10/1938

題詞:反歌

原文:客尓為而 妻戀為良思 霍公鳥 神名備山尓 左夜深而鳴

訓読:旅にして 妻恋ひすらし 霍公鳥 神なび山に さ夜更けて鳴く

仮名:たびにして つまごひすらし ほととぎす かむなびやまに さよふけてなく


左注:右 古歌集 中 出


~~~~~~


10/1939

原文:霍公鳥 汝始音者 於吾欲得 五月之珠尓 交而将貫

訓読:霍公鳥 汝が初声は 吾に欲れね 五月が玉に 交へて貫かむ

仮名:ほととぎす ながうぶごゑは あにほれね さつきがたまに まじへてぬかむ


~~~~~~


10/1940

原文:朝霞 棚引野邊 足檜木乃 山霍公鳥 何時来将鳴

訓読:朝霞 たなびく野辺に 足引きの 山霍公鳥 いつ来鳴かむか

仮名:あさかすみ たなびくのべに あしひきの やまほととぎす いつきなかむか


~~~~~~


10/1941

原文:旦<霧> 八重山越而 喚孤鳥 吟八汝来 屋戸母不有九<二>

校異:霞→霧 [類] / 三→二 [西(訂正)][元][類][紀]


修正:旦<霞> 八重山越而 喚孤鳥 吟汝来有八 屋戸母不<三>九

訓読:朝霞 八重山越えて 呼子鳥 鳴く汝来なるや 宿も見なくに

仮名:あさがすみ やへやまこえて よぶことり なくなきなるや やどもみなくに


吟:嘆く、うめく、歌う。


~~~~~~


10/1942

原文:霍公鳥 <鳴>音聞哉 宇能花乃 開落岳尓 田葛引D嬬

校異:<>→鳴 [西(右書)][元][類][紀] / 葛 [万葉集略解](塙) 草


修正:霍公鳥 田葛引[女感]嬬 宇能花乃 開落岳尓 <>音聞哉

訓読:霍公鳥 葛引く娘女 卯の花の 咲き散る岡に 声聞くるなり

仮名:ほととぎす くずひくをみな うのはなの さきちるをかに こゑきくるなり


D:[女感]


~~~~~~


10/1943

原文:月夜吉 鳴霍公鳥 欲見 吾草取有 見人毛欲得

訓読:月夜よく 鳴く霍公鳥 見まく欲り 吾は草取らり 見欲る(りう)る人も

仮名:つくよよく なくほととぎす みまくほり あはくさとらり みほるるひとも


~~~~~~


10/1944

原文:藤浪之 散巻惜 霍公鳥 今城岳S 鳴而越奈利

訓読:藤波の 散らまく惜しむ 霍公鳥 今城の岡は 鳴きて越ゆなり

仮名:ふぢなみの ちらまくをしむ ほととぎす いまきのをかは なきてこゆなり


S:U+20BA7[口刂]


叭?


~~~~~~


10/1945

原文:旦霧 八重山越而 霍公鳥 宇能花邊柄 鳴越来

訓読:朝霧の 八重山越えて 霍公鳥 卯の花辺から 鳴き越え来なり

仮名:あさぎりの やへやまこえて ほととぎす うのはなべから なきこえきなり


~~~~~~


10/1946

原文:木高者 曽木不殖 霍公鳥 来鳴令響而 戀令益

訓読:木高くは そ木を植ゑなき 霍公鳥 来鳴き響まし 恋増さらしむ

仮名:きだかくは そぎをうゑなき ほととぎす きなきとよまし こひまさらしむ


~~~~~~


10/1947

原文:難相 君尓逢有夜 霍公鳥 他時従者 今<社>鳴目

校異:杜→社 [元][類][紀]


訓読:逢ひ難き 君に逢ふる夜の 霍公鳥 他時よりは 今こそ鳴かめ

仮名:あひがたき きみにあふるよの ほととぎす ほかどきゆりは いまこそなかめ


~~~~~~


10/1948

原文:木晩之 暮闇有尓 [一云 有者] 霍公鳥 何處乎家登 鳴渡良<武>

[一云]

原文:木晩之 暮闇有者 霍公鳥 何處乎家登 鳴渡良<武>

校異:哉→武 [元][紀][矢][京]


訓読:この暮れの 暗闇なるに[なれば] 霍公鳥 いづくを家と 鳴き渡らふや

仮名:このくれの くれやみなるに[ならば] ほととぎす いづくをいへと なきわたらふや


~~~~~~


10/1949

原文:霍公鳥 今朝之旦明尓 鳴都流波 君将聞可 朝宿疑将寐

訓読:霍公鳥 今朝の朝明(あさあけ)に 鳴きつるは 君聞きなむか 朝寐寝けむか

仮名:ほととぎす けさなさけなし なきつるは きみききなむか あさいねけむか

校異:1949~1951に錯簡あり


~~~~~~


10/1950

原文:霍公鳥 花橘之 枝尓居而 鳴響者 花波散乍

訓読:霍公鳥 花橘の 枝に居て 鳴き響みなば 花は散りつつ

仮名:ほととぎす はなたちばなの えだにゐて なきとよみなば はなはちりつつ


~~~~~~


10/1951

原文:慨哉 四去霍公鳥 今社者 音之干蟹 来喧響目

訓読:嘆きなる 醜霍公鳥 今こそば 声嗄れしかに 来鳴き響めめ

仮名:なげきなる しこほととぎす いまこそば こゑかれしかに きなきとよめめ


慨:嘆く、憂う、妬む。辛い気持ちで心が一杯になる。

嗄:泣いて声がかれる。


~~~~~~


10/1952

原文:今夜乃 於保束無荷 霍公鳥 喧奈流聲之 音乃遥左

訓読:今夜の おぼつかなきに 霍公鳥 鳴くなる声の 音の遥けさ

仮名:このよるの おほつかなきに ほととぎす なくなるこゑの おとのはるけさ


~~~~~~


10/1953

原文:五月山 宇能花月夜 霍公鳥 雖聞不飽 又鳴鴨

訓読:五月山 卯の花月夜 霍公鳥 聞けども飽かず またも鳴くかも

仮名:さつきやま うのはなつくよ ほととぎす きけどもあくなく またもなくかも


~~~~~~


10/1954

原文:霍公鳥 来居裳鳴香 吾屋前乃 花橘乃 地二落六見牟

訓読:霍公鳥 来鳴き居るかも 吾がやどの 花橘の 地に落ちむ見む

仮名:ほととぎす きなきゐるかも あがやどの はなたちばなの つちにおちむみむ


~~~~~~


0/1955

原文:霍公鳥 厭時無 菖蒲 蘰将為日 従此鳴度礼

校異:菖 [元][類] 昌


訓読:霍公鳥 いとふ時なし あやめぐさ かづらにせむ日 こゆ鳴き渡れ

仮名:ほととぎす いとふときなし あやめぐさ かづらにせむひ こゆなきわたれ


~~~~~~


10/1956

原文:山跡庭 啼而香将来 霍公鳥 汝鳴毎 無人所念

訓読:大和には 鳴きて来なむか 霍公鳥 汝が鳴くごとに なき人思ほゆ

仮名:やまとには なきてきなむか ほととぎす ながなくごとに なきひとおもほゆ


~~~~~~


10/1957

原文:宇能花乃 散巻惜 霍公鳥 野出山入 来鳴令動

訓読:卯の花の 散らまく惜しむ 霍公鳥 野に出で山に入り 来鳴き動かす

仮名:うのはなの ちらまくをしむ ほととぎす のにいでやまにいり きなきうごかし


~~~~~~


10/1958

原文:橘之 林乎殖 霍公鳥 常尓冬及 住度金

訓読:橘の 林を植ゑなる 霍公鳥 冬まで常に 澄みわたるかね

仮名:たちばなの はやしをうゑなる ほととぎす ふゆまでつねに すみわたるかね


はやし:囃子、生やし

うえる:植う、餓う

すむ:澄む、棲む


~~~~~~


10/1959

原文:雨へ之 雲尓副而 霍公鳥 指春日而 従此鳴度

訓読:雨晴れの 雲にたぐひて 霍公鳥 春日をさして こゆ鳴き渡る

仮名:あまばれの くもにたぐひて ほととぎす かすがをさして こゆなきわたる


へ:U+232E0[日齊]


修正:雨臍之 雲尓副而 霍公鳥 指春日而 従此鳴度

訓読:雨細し 雲に沿ひたる 霍公鳥 春日を指して こゆ鳴き渡れ

仮名:あめほそし くもにそひたる ほととぎす かすがをさして こゆなきわたれ


~~~~~~


10/1960

原文:物念登 不宿旦開尓 霍公鳥 鳴而左度 為便無左右二


修正:物念而 不宿登旦開尓 霍公鳥 鳴度左 為便無左右二

訓読:物思ひて 寐ねぬと朝明に 霍公鳥 鳴き渡らさる 術なきまでに

仮名:ものおもひて いねぬとあさけに ほととぎす なきわたらさる すべなきまでに


~~~~~~


10/1961

原文:吾衣 於君令服与登 霍公鳥 吾乎領 袖尓来居管

訓読:吾が衣 君に着せよと 霍公鳥 吾を諾からす 袖に来居つつ

仮名:あがころも きみにきせよと ほととぎす あをうべくあらしむ そでにきゐつつ


~~~~~~


10/1962

原文:本人 霍公鳥乎八 希将見 今哉汝来 戀乍居者


修正:本人 希将見 霍公鳥乎 八今哉汝来 戀乍居者

訓読:許つ人 望み見ならむ 霍公鳥 今汝来なるや 恋ひつつ居れば

仮名:もとつひと のぞみみならむ ほととぎす いまなきなるや こひつつをれば


本つ人:本妻、幼馴染、亡くなった仲の良い人など。


~~~~~~


10/1963

原文:如是許 雨之零尓 霍公鳥 宇<乃>花山尓 猶香将鳴

校異:之→乃 [元][類][紀]


訓読:かくばかり 雨の降りしに 霍公鳥 卯の花山に なほも鳴かむか

仮名:かくばかり あめのふりしに ほととぎす うのはなやまに なほもなかむか

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